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ジャパンC・G1」(29日、東京)
世紀の一戦でも主役の座を譲るつもりはない。ラストランを迎える
アーモンドアイが25日、ルメールを背に美浦Wで最終追い切りを行った。5歳秋を迎えても、独特の弾むようなフットワークは健在。ここを勝てば
キタサンブラックを抜き、歴代賞金王の座に立つ。3歳の無敗三冠馬2頭に貫禄を見せつけ、堂々と引退の花道を飾る。
これが正真正銘の最終追い切りだ。ラストランを迎える
アーモンドアイの背中を、主戦ルメールはじっくりと味わっていた。「この馬に乗る時はいつも特別。最後の追い切りなので集中しました」。待ち構える取材陣のシャッター音を
バックに、角馬場を経由して美浦Wに入った。
メニューは3頭併せ。
サトノエルドール(4歳3勝クラス)、
ミッキーパンチ(3歳1勝クラス)の僚馬2頭を先に行かせて、最後方でじっくり待機する。徐々にピッチを上げながら、直線入り口で最内に進路を取った。馬なりのまま馬体を並び掛けると、残り100メートルで楽に突き抜けてフィニッシュ。5F67秒1-38秒0-12秒7を計時して、きっちり先着を決めた。
ルメールは「最後はちょっとだけスピードを出したけど、無理せずに彼女の
パワーをキープさせました」と説明。力を温存して本番に向かう算段を明かす。「前回は休み明けで80%。今回は国枝先生とスタッフがいい仕事をして、トップコンディションになった。99%ですね。
テンションも上がらなかった。それも大事なポイント」と納得の表情を浮かべた。
中3週での臨戦。今年の
安田記念は中2週で2着に敗れたが、国枝師は「状態は良かったと思っている」と言い切る。「勝ったのが
グランアレグリアだし、今思えば仕方ないかな。今回も体調が落ちていることはない」と仕上がりに不安のないことを強調した。
もちろん最大のラ
イバルは、3歳の無敗三冠馬2頭。鞍上は「すごくいい競馬をしているし、スピード、スタミナ、瞬発力を見せている。今年の
ジャパンCは難しいですね。誰が勝つか分からない」と素直な胸の内を明かすが、もちろん勝ちを譲るつもりは毛頭ない。「まだ
アーモンドアイは走りたい(という気持ちを持っている)。最後のレースでいい結果を出したい」。大団円へ、その瞳には有終Vしか映っていない。
提供:デイリースポーツ