東京競馬場のワンターンコースで行われる春のマイル王決定戦。
バックストレッチ後半と直線なかばに坂が設けられているが、そこからゴールまでは平坦コース。スピードと瞬発力、そして最後まで頑張り抜く底力が求められるコースだ。
◎
イルーシヴパンサーは
東京新聞杯の優勝馬。
スプリングS4着で、
皐月賞に駒を進めた経験もある。
皐月賞のあとはマイル路線に矛先を向け、1年前の6月に1勝クラスを突破してからは、大事にレースを選びながら前走の
東京新聞杯まで4連勝。その前走は仕切り直し後としては初の重賞挑戦で、レース序盤は後方に置かれてしまったが、最後の直線で外に持ち出されると、出走メンバー最速の末脚で一気に突き抜けた。
半マイル通過が46.4秒で、後半の半マイル45.9秒という平均ペースだっただけに、その末脚は見た目以上に価値がある。祖母の
レッドキャットは米国リステッドレース勝ち馬で、
キングカメハメハ×ストームキャットの母は芝1200mの1勝クラス優勝馬。
ハーツクライの配合相手にはスピードのある馬が望ましく、本馬は
ハーツクライの母
母アイリッシュダンスを彷彿させるような瞬発力を得た。本質的にはもう少し距離が延びても良さそうだが、現状では東京マイルはベストの条件ではないかと思う。
〇
シュネルマイスターは
NHKマイルカップの優勝馬で、
マイルチャンピオンシップ2着馬。昨年は
NHKマイルCのあと中3週で
安田記念に挑み3着だった。ドバイでは結果を残すことが出来ず、海外帰りの初戦だけにその実績どおりに全幅の信頼を置くということはできないが、それでも国内では4着以下なしという成績は素直に評価したい。今回のメンバーを見渡して、スローペースからの瞬発力争いになりそうだが、そういう展開はむしろ得意とするところだ。
▲
ロータスランドは昨年のサマーマイルチャンピオン。先行力を武器に
関屋記念、そして
京都牝馬Sに勝ち、
高松宮記念は勝ち馬と同タイム2着だった。スローペースからの瞬発力争いになると分は悪くなりそうだが、自分で競馬を組み立てられる強みがある。下り坂の天気予報を味方に、ペース次第ではあっと言わせることも可能ではないか。
△
ソウルラッシュは
マイラーズCの優勝馬。デビュー当初は比較的長い距離を使っていたが、マイルへと転じて4連勝。1勝クラスから一気に重賞ウイナーへと昇りつめた。この馬にとっても下り坂の天気予報は味方になりそうだ。
△
ダノンザキッドは2020年の
最優秀2歳牡馬。昨秋の
マイルチャンピオンシップは勝ち馬から0.2秒差3着だったが、今年に入って
中山記念では不可解な敗戦を喫してしまった。東京マイルは、休み明けで大きく体重を増やした昨秋の
富士Sで4着。フットワークの大きな馬なので広いコースに替わるのはプラス材料だろう。
最後に△
サリオスの名前を挙げておきたい。