◆第83回
桜花賞・G1(4月9日、阪神・芝1600メートル)
第83回
桜花賞(9日、阪神)に出走する
シンリョクカは昨年の阪神JFで2着ながら、除外の危機だった。しかし、先週末に出走枠へ滑り込み。牡馬との対戦も視野に入れるなど陣営の期待も大きい実力馬が、強運も生かした激走を狙う。
意外性と強運を秘める“持っている馬”だ。12番人気ながら2着に激走した阪神JFから直行で挑む
シンリョクカは、キャリア2戦で底を見せていない。山縣助手は「前走は馬込みを割ってきてくれて、すごく収穫のあったレース。緩さがあって、まだ良くなりそうですが、ブレのないフォームで真っすぐ走れますからね」とアピールする。
何とか滑り込んだ。当初は2月のクイーンCを挟む可能性もあったが、馬体の回復などを考慮して間隔を空けた方がプラスと判断。直行を選択した。だが、今年は賞金ボーダーが例年になく高く、当初は除外対象の1番手。
皐月賞への出走プランも浮上したほどだ。右前蹄を傷めた
リバーラが回避したため運良く出走枠までたどり着いた形で、山縣助手は「当週に出られると分かっても調整が難しい。日曜日に分かって、(先週末に)今週に向けて時計を出せたのはよかった」と、何度もうなずいた。
キャリアは浅いが、期待は大きい。阪神JFは9分の3の抽選を突破したが、除外時に備え、牡馬相手の
朝日杯FSにも登録。実は牝馬ながら5大特別競走にも全て登録している。今回は前走時に
パンサラッサとの
香港カップで乗れなかった
吉田豊が再び騎乗。
サウジカップを制した旬な男とのコンビ復活も頼もしい。
全休日明けのこの日は、美浦・南の角馬場からBダートコースを1周半で調整した。「いくらか前より落ち着きが出てきて、攻め馬で我慢が利くようになった。以前よりもカイバを食べていて、馬体もキープできている」と山縣助手。着実な成長曲線を描いており、様々な“追い風”も吹く今回はもう伏兵と言わせない。(坂本 達洋)
出走
ボーダーライン高い今年の
桜花賞 除外危機も滑り込み
今年の
桜花賞出走への
ボーダーラインは非常に高い。3つの
トライアルで計8枠あった優先出走権に、すべて賞金の少ない組が入ったこともあり、現時点で収得賞金1700万円の
シンリョクカまでが出走可能。過去10年では19年の1600万が抜けて高かったが、それを上回っている。
3戦2勝、重賞で2着1回の
メイクアスナッチや、
エルフィンS勝ちの
ユリーシャもまさかの除外対象。今年のボーダーでは20年に新馬、
エルフィンS勝ちから史上初の無敗牝馬3冠を成し遂げた
デアリングタクトはゲートインすらかなわなかった。
前年の阪神JF2着馬は01年以降、故障があった
シークレットコード(05年)、
レーヴダムール(07年)以外はすべて出走。近10年では【2・2・2・4】で複勝率6割と非常に好成績を残している。
スポーツ報知