◆第64回
宝塚記念・G1(6月25日、阪神競馬場・芝2200メートル)
第64回
宝塚記念・G1(25日、阪神)では、
武豊騎手(54)=栗東・フリー=が歴代最多を更新する5勝目を目指す。パートナーはG1・3連敗からの反撃を期す
ジェラルディーナ。自身も15度の対戦で再三苦杯をなめさせられた3冠牝馬
ジェンティルドンナの子と、待望の初コンビとなる。
9年越しで“夢”がかなう。
武豊にとって節目の30回目となる
宝塚記念は、
ジェラルディーナとの初コンビ。回顧するのは、G1・7勝を挙げた
母ジェンティルドンナのことだ。「3冠も取ったし、すごいなって。結局乗ったことないしね。いつもやられてたわ(笑い)」。12年の3冠牝馬とは15回対戦したが、先着したのはわずか2度だった。
牝馬3冠を異なる2騎手で制した唯一の馬。キャリアを通じて計8騎手が手綱を執ったが、
武豊の騎乗はなかった。「そういう(強い)馬にしては結構ジョッキーが替わってたから、1回ぐらいチャンスが欲しかったな」。担当していた日迫厩務員(現平田厩舎)は、実家が隣の幼なじみ。引退式当日、記念に3ショットを撮った思い出もある。相棒の母は、名手がタッグを望んだ一頭だった。
15日には滞在中の函館から栗東トレセンに「一時帰国」(本人談)し、1週前追い切りにまたがった。CWコースで単走。しっかりと手綱を動かし、6ハロン82秒1―11秒4をマークした。本格化する前は気難しい面があったが、今は解消。「さすがにいい動き。
テンションが高いイメージがあったけど、特にマイナスな感覚はない」と上々の感触をつかんだ。
宝塚記念で歴代最多の4勝を誇るレジェンドだが、意外にも、最後の勝利は
ディープインパクトの06年まで遡る。「しばらく勝ってないな。あんだけ
天皇賞・春とか秋とか勝ってんのに」。その後、今年の
大阪杯までにG125勝。しかし春の
グランプリは1番人気の
メイショウサムソン(08年)、
キタサンブラック(17年)で2、9着に敗れている。勝てば、実に17年ぶりの制覇だ。
3冠牝馬の子への騎乗はこれまで、
アパパネの子
ラインベック(20年
若駒S3着)と、同じ
ジェンティルドンナの子
モアナアネラ(19年未勝利戦8着)の2度があるだけ。G1はおろか、重賞騎乗も初めてだ。「強い馬はいるけど、条件的にはいい。実績もあるし、(
エリザベス女王杯で)阪神の2200メートルは勝ってますしね」。乗りたかった名牝の娘を、母も果たせなかった春の
グランプリ制覇へ導く。(水納 愛美)
◆
ジェンティルドンナの現役時代 デビュー4戦目の12年
チューリップ賞から岩田康とコンビを組み、5戦目の
桜花賞を制覇。
オークスは岩田康が騎乗停止中だったため川田に乗り替わった。その後再び岩田康に戻り、
秋華賞で牝馬3冠を達成。続く
ジャパンCも制した。翌13年の
ジャパンCはムーアとの初コンビで史上初の連覇。ムーアとは14年のドバイ・シーマクラシックも勝った。有終の美を飾った14年
有馬記念の鞍上は戸崎。通算19戦で8騎手が騎乗。4騎手とのタッグでG1を7勝した。
スポーツ報知