【長岡一也=コラム「競馬白書」】
◆ハンデと展開が鍵になる
秋の飛躍を目指す3歳馬によるハンデ重賞の
ラジオNIKKEI賞。大半が春のクラシックに出走できなかった3歳馬で、確実に賞金を加算すべく、1800米を戦う。この5年、1番人気は2着が1回あっただけで、ずっと苦戦が続いている。波乱含みの混戦ムード、こう言い切っていいだろう。また、トップハンデの不振が続いているのも事実だ。2006年からハンデ戦になり、以後17年で2頭しかトップハンデは勝っていない。
福島の芝1800米は小回りでコーナーが4つあり、最後の直線が短いため各馬が早目に仕掛ける。全体的に速い流れになるから、それに対応できる粘り強さがもとめられる。流れに乗って持続力を生かせるものが有利だ。流れをリードする逃げ、先行勢がどうしても気になるところだが、最近では、2017年に53キロで8番人気の
ウインガナドルが最内で粘って2着に入っていたが、その後の5年間で先行馬2頭が連対を果たしている。
まず3年前の
バビットで、11月にデビューして2戦して2着が2回。ソエで放牧に出され、戻ったのが4月の福島2000米で逃げて初勝利。そして5月に新潟1800米で連勝していたが、5戦目の
ラジオNIKKEI賞では、ハンデ53キロで8番人気だった。1番枠から好スタートを切り迷わず逃げの手に出て2着に5馬身もの差をつけて逃げ切っていた。このコースならではの戦い方だった。
そしてもう1頭は昨年の2着馬
ショウナンマグマ。これも53キロの軽ハンデで8番人気。いいペースで逃げるという自分の競馬ができ、ゴール寸前まで踏ん張っていた。
バビットも
ショウナンマグマもペースを緩めず、自分のリズムを守って単騎で逃げていたが、それだけ余力を残して直線に向かえたということだろう。このレースの戦い方のひとつだと言える。軽ハンデの逃げ、先行馬は、一応マークしておくのが、この重賞の鉄則と思っている。
今年の顔ぶれからその条件に合うのは、54キロの
シルトホルンだ。春は
スプリングSで2番手で先行したが力及ばず、前走東京のマイルを逃げ切って2勝目を上げたように、好スタートを切ってスピード生かした戦い方が合っている。福島の1800米なら、マイペースで行けるだろう。ローカル開幕週は前を狙えで、まず考えてみたい。そして、55キロだが
皐月賞でも逃げていた
グラニットもハナに立ちたい馬だ。福島で未勝利勝ちした馬で、このメンバーなら思い切ったことも考えられる。
ハンデを考慮してこの2頭をマークしたが、新馬戦で後の
皐月賞馬
ソールオリエンスの2着と走っていた
レーベンスティールの力も相当なものがある。前走5馬身差で圧勝してもまだまだ伸びる馬だ。そして、緩みない流れに合いそうな
マイネルモーントを。最後まで加速し続けていた前走の勝ち方は印象に残っている。以上4頭をボックスにしてみるのはどうだろう。
「賞金を 加算できたら 道ひらく」
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