7月10日(月)、11日(火)に北海道苫小牧にあるノーザンホースパークにて行われるセレクトセール。主催者が厳選した良質なサラブレッドが上場されることで知られ、今年も450頭以上のバラエティに富んだ幼駒が登場予定だ。本稿では目前に迫った開催を前に、およそ近1年間に活躍した同セール出身馬を、一部だけだがご紹介したい。
■
ドゥラエレーデ(牡3、栗東・
池添学厩舎)
父
ドゥラメンテ、
母マルケッサ、母の父
オルフェーヴルという血統で、祖母の
マルペンサはアルゼンチンで芝ダート双方のG1を制した名牝。伯父に16年の
菊花賞と
有馬記念を制した
サトノダイヤモンドがいる。ノーザン
ファームの生産馬で、21年の1歳セールにて1億1000万円(税込)で落札された。
昨年8月、デビュー3戦目にダ1700m戦で初勝利を挙げ、続く
東スポ杯2歳Sで4着。暮れの
ホープフルSでは芝で未勝利ということもあってか、14番人気の伏兵だったが、接戦制して重賞初制覇を飾る。その後もドバイ遠征や3歳での
宝塚記念挑戦など、型破りなローテで注目を集めている。
■
ジャスティンパレス(牡4、栗東・
杉山晴紀厩舎)
父ディープインパクト、
母パレスルーマー、母の
父Royal
Anthemという血統。半兄に13年の
ベルモントS覇者
パレスマリス、21年ステイヤーズSや22年
阪神大賞典で2着の
アイアンバローズがいる。ノーザン
ファームの生産馬で、20年の1歳セールにて2億900万円(税込)で落札された。
2歳時に
ホープフルSで2着に好走。3歳秋には
神戸新聞杯を制して
菊花賞3着など活躍したが、今年に入って本格化の兆し。3月の
阪神大賞典は、ゴール前で流す余裕も見せて1.3/4馬身差で快勝し、4月末の
天皇賞(春)では2馬身半差でGI初制覇。続く
宝塚記念でも3着に入るなど大舞台で活躍している。
■
ウシュバテソーロ(牡6、美浦・
高木登厩舎)
同馬は父
オルフェーヴル、
母ミルフィアタッチ、母の
父キングカメハメハという血統で、伯父は03年の
東京新聞杯覇者の
ボールドブライアン。千代田牧場の生産馬で、17年の当歳セールにて2700万円(税込)で落札された。
デビューから一貫して芝路線を歩み、昨年4月の
横浜Sでダートに転向すると才能開花。秋にはオープンクラスで連勝し、勢いそのままに
東京大賞典で重賞初制覇を飾った。年明けの
川崎記念も勝利して、勇躍向かった
ドバイWCを完勝。ダートに転じて僅か1年足らずで、世界の頂点に立った。
■
デルマソトガケ(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)
父
マインドユアビスケッツ、
母アムールポエジー、母の
父ネオユニヴァースという血統。母は13年の
関東オークス覇者で、伯父にダート短距離で活躍した
ミリオンディスクなどがいるダート一族の生まれ。社台
ファームの生産馬で、21年の1歳セールにて1980万円(税込)で落札された。
芝での2戦は結果が出なかったが、ダートに転じて2戦目で初勝利。続く
もちの木賞を制して挑んだ
全日本2歳優駿では、上がり最速の末脚で
ペリエール、
オマツリオトコらをねじ伏せ重賞初制覇を飾った。その後は海外遠征を敢行。UAEダービーを圧勝したほか、
ケンタッキーダービーでも6着に健闘した。
その他にも
ジュンライトボルト(チャンピオンズC)、
ヴァレーデラルナ(JBCレディスC)、
アスクビクターモア(
菊花賞)が近1年のGI級競走で勝利している。セレクトセールでは5億、6億で落札される馬もおり話題を集めるが、
ウシュバテソーロや
デルマソトガケのように、同セールでは比較的リーズナブルな価格の馬からも活躍馬が現れている。未来のGIホースが多数眠る、日本最大級のセリ市から目が離せない。