昨年の春先だった。友道調教師から「本当にいい馬体をしている。さすが金子(真人ホールディングス)さん、という感じ」とかなりの手応えを聞いたのが
カムニャック(牝3歳、栗東・
友道康夫厩舎、
父ブラックタイド)だ。さらに、母の父に
サクラバクシンオーを持つ
ブラックタイド産駒であることも聞き、これはG1・7勝を挙げた
キタサンブラックと同じ。ならば、牝馬らしからぬ雄大な馬体も納得だった。
ただ、体よりも血よりも強烈だったのが昨年の8月11日に行われた初戦(中京・芝2000メートル)の走りだ。前半5ハロン64秒1という超スローで、後方から大外を回りながら、ほぼ持ったままで3馬身半差の圧勝。まさに「突き抜ける」という表現がぴったりだった。
続く
アルテミスSは6着。ただ、当時は栗東に帰厩時から「新馬の時に比べると…」とトレーナーの歯切れは今ひとつで、最後までトーンは上がり切らないまま。決して力負けではない。次戦は
エルフィンS(2月8日、京都)を予定。リステッドだけに、勝つしか賞金加算はできない。ただ、初戦時の姿さえ取り戻せば、クラシック戦線へ再び名乗りを挙げる走りで衝撃を与えるはずだ。(
中央競馬担当・山本 武志)
スポーツ報知