日本に旅立って5年後、エンパイアメーカーがケンタッキー州に帰ってくることになり、地元はレブロン・ジェームズ(注:プロバスケットボールの名選手)がクリーブランドに戻ってきたときのような興奮に沸き立っている。我々がかつて見たもの、1日でもいいから帰ってきてほしいと思ったことが現実になろうとしている。
ゲインズウェイファームがドン・アルベルトコーポレーションと対等の分割購入をすべく提携し、エンパイアメーカーを取得した背景はいくつかある。まず、外国為替で円安だった。ジュドモントファームが自家生産のアンブライドルド(Unbridled)産駒を日本軽種馬協会に2010年に売却した際、円は現在より対ドルで46%以上の価値があった。また、今年エンパイアメーカーの日本での初年度産駒である3歳馬はアメリカでの産駒成績からの期待には応えられていない。彼の孫のアメリカンファラオ(American Pharoah)が三冠を獲得したことで、帰国のための材料が揃った。
(中略)
ゲインズウェイファームでエンパイアメーカーは北米リーディングサイアーのタピット(Tapit)ととも繋養される。来年タピットは15歳、エンパイアメーカーは16歳になる。ともにスタッドを支えるペアとなる。
(中略)
社長のアントニー・ベックはエンパイアメーカーがシアトルスルー(Seattle Slew)系牝馬と特異な親和性があると指摘する。11頭のG1馬のうち7頭の血統にそれが存在する。シアトルスルーはタピットの血統でも見つけることができるが、エンパイアメーカーをタピットの娘と交配した場合、アンブライドルドの2×4のインブリードが発生する。ベックはその可能性を検討したうえでOKを出した。
(以下省略)
■アントニー・ベック(ゲインズウェイファーム社長) ※一部抜粋
誰もがエンパイアメーカーにケンタッキー州へ戻ってほしいと願っていた。誰もが彼が残した産駒の活躍に驚き、非常に優れた種牡馬であることが証明された。
ゲインズウェイファームはエンパイアメーカーはタピットと同じく種付け頭数を135頭に制限すると発表している。我々オーナーサイドが約40頭を占め、残る95頭を他の生産者が利用できる。
(Blood-Horse 9月29日)
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