天皇賞・春、宝塚記念、有馬記念とGIを3勝し、オグリキャップ、スーパークリークとともに“平成3強”と呼ばれたイナリワン(父ミルジョージ、母テイトヤシマ)が7日、繋養先の北海道占冠村・あるぷすペンションで死亡した。32歳だった。
イナリワンは、北海道門別町(現・日高町)の山本実儀氏が生産して、大井競馬場・福永二三雄厩舎の所属馬としてデビュー。無傷の8連勝で東京王冠賞などを制した。4歳時には東京大賞典を制し、地方14戦9勝の実績を残して中央(美浦・鈴木清厩舎)入り。芝の中長距離戦で2戦して4、5着と勝ち切れなかったものの、武豊騎手との新コンビで挑んだ1989年の天皇賞・春を5馬身差で圧勝し、続く宝塚記念もフレッシュボイスの急追を退けてGIを連勝した。秋初戦の毎日王冠ではオグリキャップとの死闘を演じて2着。天皇賞・秋、ジャパンCは完敗したが、暮れの有馬記念でスーパークリークをハナ差で差し切り、復活Vを遂げた。通算成績は25戦12勝(中央11戦3勝)。
引退後は種牡馬として供用されたものの、中央競馬での重賞勝ち馬は出しておらず、シグナスヒーローが重賞で5度の2着と好走したのが目立つ程度だった。2004年に種牡馬を引退してからは功労馬とてし余生を過ごしていたが、7日夕方に息を引き取った。
ライバルのオグリキャップ、スーパークリークはともに2010年に天に召されており、3強の生き残りだったイナリワンも天国へ。平成初期の爆発的な競馬ブームを呼んだ3頭の名馬は、いずれもこの世を去った。
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