ステイヤーズSで今年12戦目を迎える、タフな
ネコパンチが長丁場で一発を狙っている。「去年の夏まで500万だったのに、今はオープンだからね。大したものだよ」と星野調教師は洗い場にいる
ネコパンチを、にこやかに見つめる。
今日の追い切りは、南Wで6Fから単走で行われた。「大外を回って追ったんだけど、しまいもしっかりしていたし、動きは良かったよ。前々の競馬で抜け出すのが、この馬のパターンだけど、重賞ではなかなか自分の競馬をさせてもらえなくてね。以前は気合をつけてると掛かるところがあったけど、最近はズブさが出てきて、折り合いもつくようになったから距離も大丈夫だし、今回は、早め早めの競馬をしてほしいと思っています」
逃げて6着だった2走前の
京都大賞典については「逃げるようにという指示を出していたので、その通りの乗り方をしてくれたし、いい競馬をしてくれたからね。そんなに差もなかったし、ホント、今回も自分の競馬ができればね」と、先行さえできれば、やれる手応えを感じている様子だ。
鞍上は初コンビとなる田辺騎手だが「減量の時から乗ってもらっていたからね。素直でいい子なんだよ。最近は売れっ子になっちゃって、なかなか騎乗してもらう機会がなかったんだけど、やっと乗ってもらえるよ(笑)。彼ならうまく乗ってくれるんじゃないかな」と騎手の腕にも期待を寄せる。
普段の
ネコパンチだが、運動中に立ち上がって暴れたり、手入れ中に攻撃してきたりとかなりのヤンチャ坊主。そんな相棒を、担当の及川厩務員は「ネコ」と呼んでいる。「ネコは泳ぎがうまいですよ。下手な馬は沈んでいって、溺れかけてますから。この馬はプールに行くのも嫌がらないですし、泳ぐのが好きなのかもしれませんね」とネコの知られざる一面を教えてくれた。またファンの多いこの馬について「
有馬記念のファン投票の中間発表で33位でしたからね。改めて、ファンが多いんだなと思いました。
京都大賞典では、応援幕が3枚出ていたのも、嬉しかったですね」と、洗い場で
ネコパンチに攻撃されそうになりながらも、笑顔で話をしてくれた。
ヤンチャなネコが強烈なパンチを繰り出すか?週末が楽しみだ。[取材:佐々木祥恵]