「第57回
東京大賞典・GI」(ダート2000m)は29日、大井10Rに12頭で争われ、単勝1.0倍(元返し)と圧倒的な支持を集めた1番人気の
スマートファルコンが、後続のプレッシャーを受ける厳しい形を克服して逃げ切り勝ち。直線では好位のインから脚を伸ばした
ワンダーアキュート(3番人気)との一騎打ちになったが、鼻差で退け王者の意地を示した。勝ちタイムは2分1秒8。昨年の
JBCクラシックから続く連勝を“8”に伸ばし、5つ目のGIタイトルをゲット。充実の2011年を5戦全勝で締めくくった。さらに2馬身差の3着には4番人気の
テスタマッタが好位から粘り込み、
JRA勢が上位を独占した。
壮絶なゴール前の攻防は、僅か3.5センチの差で
スマートファルコンに軍配。レース直後の
武豊は「完全に負けたと思った」と安どの表情。実際にレース後に鞍を外す枠場は2着のところへ入ったほどで、それだけ際どい勝負だった。
いつもと変わらない逃げに見えたが、鞍上は微妙な変化を感じ取っていた。「この馬にしては
リラックスしすぎていた」。それが表れたのが4コーナー。いつもなら他馬を引き離しにかかるが、今回は2着の
ワンダーアキュートを振り切ることができなかった。「1年間頑張って走ってきたからね。その疲れが出たのかも」と分析する。それでも勝つのが最強馬。名馬の背中を知り尽くした鞍上が「すばらしい名馬」と褒めたたえるだけのことはある。
小崎師は「きょうはいつものパフォーマンスが見られなかった。ドバイへ連れて行きたいが、慎重に考えたい」と語る。
JBCクラシックで
トランセンドを負かし、日本最強ダート馬の称号は手に入れた。残すは世界制覇のみ。陣営の選択に注目したい。
提供:デイリースポーツ