阪神JFでは、直線伸び切れずに10着と敗れた
トーセンベニザクラ。陣営は当レースでの巻き返しに力が入っている。
「前走は外を回ったとはいえ、最後の伸びが物足りなかったですからね。元々が小さな馬で、馬体重が442キロというのは、少し太かったのだと思います。その太めが、最後の伸びの物足りなさにつながっていたと考えました。幸い、レース後も疲れがなかったので、放牧に出さずにここに向けて調整してきましたが、追い切り以外の日の馬場での運動量を増やしまして、体を絞ってきました。理想は前走からマイナス6キロくらいですね」と、管理する柴崎調教師は前走の敗因と、ここまでの調整過程を語ってくれた。
追い切りは6日に、南ウッドチップコースで2頭併せで行われた。直線で津村騎手が少し手を動かしただけで、併せた馬をあっという間に突き放し、大きなス
トライドで駆け抜けていった。
「併せた馬を1秒くらい離しましたね。おチビちゃんとは思えない大きなフットワークで、良い動きでした。今回は、士気を高めるために、ゲートの後ろでメンコを外してレースに臨みます。先週、今週と馬場内でメンコを外して追い切りもやっていますよ。怖がりな面も、もうなくなったと言っていいですね。春のクラシックに向けての今後のローテーションを考えても、ここは勝つか、最低でも2着に入って、賞金を加算しておきたいです」(柴崎師)と、体を引き締めるための運動量アップと、メンコを外すという対策を講じて、ここは勝負をかけてくる。
赤松賞で同馬を優勝に導き、その素質を高く評価していたという津村騎手に、再び騎乗のチャンスが巡ってきた。
「メンコは先週初めて外したのですが、先週より今週の方が落ち着いていますし、メンコがなくても問題ないと思います。
赤松賞の時には追い切りには騎乗していなかったので、その時との比較はできませんが、今日は反応も良かったですし、力が出せるデキにると思います。脚をためていけばすごく切れる馬で、ここは勝ち負けしてもおかしくないと思います。前に行きたい馬ではないので、極端な外枠でなければ、枠はどこでもいいですね」(津村騎手)と、追い切りでの反応の良さに手応えを感じている様子だった。
未勝利、
ひいらぎ賞と2連勝中の
チェリーメドゥーサは、昨年大ブレイクした田辺騎手を背に3連勝を狙う。
「前走は際どい接戦で、ゴール前にハナだけ出て勝ってくれたように、根性を見せてくれました。今回は
ひいらぎ賞から中2週になるので、無理をして使いたくないというのがありましたが、レース後も疲れはなかったですし、この中間も順調に来ていまして、いい状態をキープできていると思います。一戦使うごとに馬もしっかりしてきていますよ」と、管理する小西調教師。
「この馬のいいところは、気性がきつく勝負根性があるところですね。普段も、人が近寄ると噛み付きに来るようなところもあります。今回も、勝った
ひいらぎ賞と同じ舞台ですし、この馬の勝負根性に期待したいですね」(小西調教師)とこのレースへの抱負を語ってくれた。
活躍目覚しい田辺騎手との師弟コンビでの重賞初制覇となるかどうか。注目したい。[取材:佐々木祥恵]