JRAは6日、2011年度
JRA賞馬事文化賞選考委員会を開催し、馬事文化賞に当サイトのコラム『熱視点』でお馴染みの島田明宏氏著「消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡」を選出した。受賞作、受賞者の詳細は以下の通り。
【馬事文化賞 受賞作】
「消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡」
【受賞者(著者)の略歴】
島田 明宏(しまだ あきひろ)
1964年(昭和39年)、北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科中退。大学在学中、バイトの延長で始めたテレビ番組のリサーチャーを経て放送作家、フリーライターとして執筆活動にとりかかる。1990年(平成2年)の夏から
武豊騎手のアメリカ遠征に同行し、『
Number』『競馬の達人』などで競馬の原稿を執筆開始。現在、当サイトでコラム「熱視点」を毎週(土曜日12時更新)、競馬ブックで
エッセイ「競馬ことのは」を隔週連載中。2009年(平成21年)、小説『下総御料牧場の春』で第26回さきがけ文学賞選奨を受賞。
【受賞作の概略】
本書は、史上最年少となる20歳3か月で
日本ダービーを制した前田長吉騎手の伝記。1942年(昭和17年)春季にデビュー、その2年後の秋に徴兵され、満州に出征、戦後はシベリアに抑留、強制労働により1946年(昭和21年)2月、23歳で夭逝した。これまで彼の人生、特に競馬界での活躍は、戦争の混乱期の短期間であったため、資料が散逸し、聞き取り調査の対象者が鬼籍に入られ、その多くが謎に包まれていた。著者が「私のライフワークというべき作品をお届けできることを嬉しく思う」と巻頭に記しているとおり、まさに足かけ5年の歳月をかけて長吉の人生を明らかにした労作である。
【受賞理由】
受賞作の「消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡」は、1943年にクリフジに騎乗しダービージョッキーとなった前田長吉の人生を丹念に調べ上げ、今まで謎に包まれていた同騎手の人生を世に知らしめた点が評価されました。また、近代競馬150周年を迎えた今年、その150年の中で日本がもっとも苦難に直面した第二次世界大戦中の競馬の模様、またその戦争に翻弄された騎手・前田長吉の悲運を興味深く描いた点も併せて評価されました。
【島田明宏氏のコメント】
「競馬の文章を書き始めて20年以上となりますが、ずっと意識していた賞でした。自分としては遠いものと思っていたので、今回の受賞は非常に嬉しいの一言です。競馬に関する物語をこれからもずっと書き続けていきたいと思います。」
■消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡
著者:島田明宏
価格:1000円(税込)
発売:2011年4月18日
発行:白夜書房
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