今週の栗東トレセンは10日が全休日。それにより、通常なら追い切りが多い水曜日の11日が全休明けとなり、追い切りは12日に集中している。
しかし12日は前夜から降り積もった雪の影響で調教開始時刻が7時から10時に変更。これにより、各調教馬場も多分に影響を受けている。
【坂路/4F51.9秒】
12日の開門直後は馬場状態も良好で時計も出る状態。4F52秒を切る馬が連発。しかし5分もしないうちに水分を含んだ馬場が荒れてきて、非常に走りにくい状態になった。調教に跨った助手の話では「無理をすると
バランスを崩してしまう」ということで、無理に時計を出さなかった陣営も多かったようだ。
4F時計が55秒以上要しているような馬の場合、ラスト1Fが13秒前半以下であれば、決して無理して時計を出さなかったと判断した方がよいので、前走時と時計を比較して「時計が遅いから調子落ち」という判断は早計だろう。むしろ4F時計が速くても、ラスト1Fが14秒台を要している馬の評価を下げるべき。
以上から、12日の4F換算の馬場差は時間帯分類をせずに『+0.7秒』で観測している。なお、11日は多少時計が掛かるといった程度なので『+0.2秒』で観測した。
【CW/5F66.0秒】
12日。坂路同様に開門直後は6F81秒以下も多数出たが、それ以降の時間に追い切った馬は6Fで84秒前後。ここ数日、時計の出やすいCWだったが、その中では一番時計の出にくい日だったことは間違いない。
そんな中で目立った動きを見せたのは、5日目京都芝1800mの新馬戦でデビュー予定の
ダノンアーチスト。鞍上に
武豊騎手を乗せて3頭併せを行ったが、道中併せていた
スカイノライアンが直線で脱落するところを楽な手応えでゴール。6F82.4〜1F11.9秒で最後まで余力ある動きは新馬としてはかなりレベルの高い攻め内容だった。
よって12日の5F換算の馬場差は『+0.4秒』で観測している。なお、11日は先週とほぼ同じ馬場状態だったので『0.0秒』(馬場差なし)で観測している。
【DP/5F64.5秒】
12日。ウッドチップ馬場の坂路とCコースは先週より時計を要する状態だったが、さすがは全天候型ポリトラック馬場。雪の影響はほぼ受けていないと判断してよい。
ウッドチップを避けた陣営がDPを選択しているが、その時計はラスト1F11秒台続出。動きを見ると「ちょっと遅いかな」と思うような馬でも1F12秒前半が出ていた。
ある程度時計の出る馬場状態であることは間違いなく、5F換算の馬場差は先週より少し速い『-0.5秒』で観測している。馬場状態に変化はない11日も同じ馬場差で観測した。[取材:井内利彰]
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。