昨年は歴史的名牝の
ブエナビスタを首差で退けてV。今年のメンバーなら実績断然となるGI5勝馬
アパパネが、レース史上初の連覇に挑む。
昨年の美酒以降は5戦して未勝利。成績は決して満足のいくものではない。それでも、
エリザベス女王杯では秋初戦の
府中牝馬Sでの大敗(14着)から巻き返して、
スノーフェアリーの3着に入るなど時にはさすがの勝負強さも披露した。大舞台で高いパフォーマンスを見せる底力が最大の武器だ。「去年の覇者として意地を見せてほしい。
ブエナビスタがいると思って走ってくれないかな」と国枝師は冗談を交えながら復活を願う。
不振の理由のひとつに体重の増加が挙げられる。昨年V時の馬体重が490キロ。その後の5走は496〜504キロ。なかなか絞り切れずに、汗取りを着けるなどの工夫を凝らした時期もあった。「暖かくなって、見た目にはスマートになってきた。去年と同じくらいの体重で出走できそうな感じはする」とトレーナー。最近では最もシェイプアップした姿でターフに立てると推測する。
精神面へのアプローチも試みている。2日にはこれまでの美浦Wや坂路ではなく、初めて美浦北Cで追い切りを敢行。6F82秒4-38秒1-12秒2で
エクストラセック(5歳1000万下)に2馬身先着した。「左回りでやりたかった」と理由を説明したが、刺激を与える意味も含まれている。「別の料理法もしないとね。ガーッと行くような部分が見られた。いいんじゃないの」。闘争心は戻りつつある。
「もしかしたら、年齢的なものがあるのかも。でも、いい条件なんだから頑張ってほしい」。距離への不安説を覆しての牝馬3冠、ブエナとの名牝対決など数々のドラマを演出してきた。トンネルを抜けて復活Vを決め、再びその
ヒロイン性を証明したい。
提供:デイリースポーツ