クラシックの活躍で種牡馬勢力図を完全に決定づけた。2世代目が
桜花賞、
オークス(
ジェンティルドンナ)、そしてダービー(
ディープブリランテ)を制した
ディープインパクト産駒。現3歳世代の重賞36戦で13勝を挙げるなど、まさに独り勝ち状態の勢いは、市場にも如実に反映された。
近年のセレクトセールをリードする“2強”オーナーもディープ産駒に標的を絞った。まずはおなじみ“トーセン”島川隆哉氏が、「
アドマイヤキラメキの11」(牡)をこの日の最高価格となる2億5000万円で落札。「いい馬だとみんな騒いでいた。予想より高かったけど、この血統だからね。池江厩舎に預ける予定です」と話した同氏は、「
スーアの11」(牡)も1億1000万の高値で購入。ディープ産駒に惜しげもなく大金を投入した。
最高価格馬の競り合いに負けた
グローブエクワイン
マネージメント(有)も、09年
秋華賞馬
レッドディザイアの異父弟「
グレイトサンライズ」(牡)を1億5000万円、
ダイヤモンドディーバ(牡)を1億4000万円で獲得。「馬体が素晴らしい。これくらいの価格は仕方ない」と多田信尊代表は値段相応の価値を強調する。
1億円を超えた5頭のうち、4頭がディープ産駒。売却率は100%を記録した。日本競走馬協会役員の吉田勝己氏は「頭数は少ないけどすごくいい値で売れた。春の成績がそのまま表れたのでしょう。これからはもうディープの時代ですよ」と断言。02年の
サンデーサイレンス死後は、その2世を中心に戦国時代の様相を呈していた種牡馬界。父に続き、ディープが再び1強の時代を築きつつある。
提供:デイリースポーツ