netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、22日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。
【阪神芝】
阪神芝は朝から良馬場でレースが行われた。今週から仮柵移動となり、最終日までBコース(Aコースから直線部3m、曲線部4m外へ)で行われる。
仮柵移動の影響に関しては、まず時計面が持ち直していることは確かだが、馬場傾向自体に大きな変化をもたらしたという程には至っていない。
細かい変化ではあるが、内回り(1200m・1400m)短距離を中心に、(先週日・月の)逃げ・先行馬有利の傾向から、道中脚を溜めて運ぶタイプにコース替わりの恩恵があった感じ。
9R
ききょうS(2歳OP・1400m)もまさにそのような決着で、道中ロスない中団待機から直線よく伸びた
プリンセスジャックが1着。内枠からうまく先行出来た
ローガンサファイアが2着。同じく内目で脚溜めていた
ドリームマークスが最後差して3着。
土曜の内回りに関しては、先行が不利なわけではないが、やや道中に内で脚を溜めた差し馬が有利な印象を受けた。
逆に外回りに関しては、時計面以外に目立った変化は見られず、相変わらず決め手の生きる馬場状態。10R
夕月特別(1000万・牝・1800m)も、外から差し込んだ馬による上位決着となっている。
血統面からは、コース替わりでも引き続き
パワーのあるタイプが優先されるようで、サンデー系の場合は
ダイワメジャー・
ステイゴールド・
ネオユニヴァースといった面々の良さが生きる馬場。土曜は
ハーツクライや
リンカーンの馬券圏こそ無かったが、
トニービン直系の
ジャングルポケット産駒も1勝3着2回で、いずれも人気以上の好走となっている。引き続き、見た目の時計や上がりタイムよりも、上位に来ているのはAコース時と変わらずスタミナ・
パワーの要素を含んだ系統といった印象。
馬体面からは腰高体型で、腰がぶれないタイプが有利に映った。
明日は雨の予報も出ているので、天候馬場状態はしっかり観察しておくべきだろう。
【阪神ダート】
ダートも朝から終日良馬場で行われたが、中間の降雨の影響が若干残っていた感じ。時計は変わらずやや速め。11R
大阪スポーツ杯(1600万・1400m)も、1分23秒2で内から抜け出した
ガンジスが1着となった。
脚質を見ると、雨の影響からか基本は先行馬有利ではあるが、差し馬もそれなりに食い込んでいるので、前有利とフラットの中間くらいだろう。
血統傾向は先週良く来ていたミスプロ系に替わって、
サンデーサイレンス系が5鞍中4勝2着2回3着2回と持ち直し傾向。そのあたりは、多少は雨の影響が残った馬場を反映した結果だったと考えたい。
明日は天気になればそのまま〜重くなっていく形で良さそうだが、まとまった雨の可能性もあるのでその際には、土曜よりも更に先行馬や内目で運ぶ馬の台頭に注視すべきだろう。
【中山芝】
中山は朝から気温が上がらず曇、馬場は終日良馬場だが、芝に関しては週中の雨はそこまで大きく影響しなったと見たい。阪神同様に今週から仮柵移動となり、最終日までCコース(Bコースから3m外へ)で行われる。
そのCコース替わりの影響はレースにもかなり大きく反映されており、特に先週までの内回りコースでは道中外目を回ったり、外枠というだけで大幅な割引要素になっていたものが殆ど無くなり、外からの差しやマクリの競馬も多発。馬場の伸び所に関しては、フラットから外差しに近いラインにまで大きく変化している
ただ、時計は相変わらず速めで、9R行川特別(500万・2000m)は、1分59秒1。3、4コーナーで捲り気味に進出した
サクセスパシュートが1着。2、3着も勝負所で外目を通った差し馬が、それぞれ入線している。
外回りの短距離も午前中から同様に、最後までしっかりとした脚のある馬が次々に差し込ん来るような馬場状態。枠順や脚質による有利不利もほとんどないフラットと見ていいだろう。ただし、乗り手も差せる馬場と分かった場合には、12R(500万・1200m)のような想像以上の楽逃げが発生したりもするので、フラット馬場と言ってもそのあたりの可能性は多少気に留めておいた方がベターか。
血統面に注目すると、上述のCコース替わりで差せる馬場状態もあって、しっかりとした脚の使える
サンデーサイレンス系は順当に結果を残してきている。
逆に、決め手に乏しい馬の場合は馬場質からしても例えサンデー系でも厳しい面があるので、単調な脚質の馬は割引といった印象。
明日天気が持つようなら同様に決め手重視の馬場、天候不順なら馬場が一気に悪化してしまう可能性があるので、その行方をしっかり注視しておくべきだろう。
【中山ダート】
中山ダートは、終日曇で気温も上がらず、8Rまでが稍重。最後の11Rのみ良での競馬となった。とは言え、月曜開催から合わせて中間30ミリ近くの降雨があった影響が残っていたようで、多少砂塵も出ていた見た目よりも実際はかなり軽い馬場質となっていた。
3Rと8R以外は、道中馬場の内目をロスなく回った先行馬同士での決着が続き、(良馬場の11Rも含めて)外を回した差し馬勢は殆ど出番のない馬場状態だったと言えるだろう。
時計もマズマズ速めで、11R
ながつきS(1600万・1800m)は単騎で楽なペースに持ち込んだ
プレファシオの逃げ切り勝ち。2着
セイカフォルテも道中内々3番手、3着
ヒラボクビジンも内々5番手を追走していた馬。おおよそ、今日の内・前有利の馬場傾向に合致した決着となった。
血統面は、ミスプロ系やサンデー系、ロベルト系と主流系統が万遍なく来ていたが、6日目に関しては道中の位置取りや枠順の方がより結果に反映していた感じ。
明日、さらに雨が降るようなら土曜の傾向に拍車が掛かりそうだし、天気が保つようならば前有利を基本線にして、馬場の乾き具合に応じて差し馬の台頭を考慮していくような形でいいだろう。