ダービー馬が文句なしの態勢だ。派手なアクションこそなかったが、
ディープブリランテが迫力満点の動きを見せた。岩田とともに栗東CWへ。スタンド前からゆっくりと発進すると、首をグッと下げて気合満点のフットワーク。鞍上がうまくなだめながら3角へ。人馬の呼吸はピッタリだ。
直線を向いてもリズムを崩すことなく、ゴール板をクリアした。タイムも6F80秒7-37秒9-12秒0と上々だ。「素晴らしかった。すでに日曜で仕上がっているが、息の入りも良かったし、悠々と走っていた」と主戦は想像以上の動きの良さに目を丸くする。その日曜は
秋華賞当日。
ジェンティルドンナで牝馬3冠を決めた朝も、コミュニケーションは欠かさなかった。「(
ディープブリランテが)好きなんで。かけがえのない友達、戦友。分かち合える存在」と表現した。ダービー前も付きっ切りで調教をつけて頂点へと導いた。
スタイルに変わりはない。
天皇賞・秋への参戦もプランに上がったが「ダービーが終わった瞬間から、岩田とは
菊花賞と決めていた。(栗東に)入厩したときは正直、厳しいかと思ったが、これだけ予定通りにこられる馬はそういない。それが能力なんだね」と寸分の乱れもなかった調整過程に満足そうにほほ笑んだ。
ダービー時と同様、今回も鞍上とは熱く意見を交わした。「お互いにハートが熱いからな。ただ彼は馬を愛してくれているのが分かるし、だからこそ信じられる。馬場へ出したら彼の感性に任せるだけ」と全幅の信頼を置く。そして「ボクにとっての宝物。調子の上がってきたときに使えるのは理想的だし、どんな競馬をするのか楽しみだね」と目を細めた。熱い絆で39年ぶり2頭目のダービー&
菊花賞制覇に“挑戦”する。
提供:デイリースポーツ