破竹の勢いだ。春に
NHKマイルCを制し、3歳マイル王となった
カレンブラックヒルは、秋初戦となった
毎日王冠も突破。デビューから無傷の5連勝で勇躍、古馬伝統の秋GIへ参戦する。
初めて古馬と激突した前哨戦が圧巻だった。約5カ月ぶりの実戦の上に、初体験となる芝1800mでの戦い。道中は逃げる
シルポートを見る形で好位を追走し、じっくりと脚をためた。府中の長い直線で満を持して
ゴーサイン。最初は反応の悪さを見せたが、エンジンがかかると、さすがはGI馬だ。後続の強襲を力でねじ伏せた。「久々のせいかピリピリしたところがなかったな。反応が悪かったのはそのせいと思うけど」。そう指揮官が振り返る、いかにも休み明けのムードながらも勝ち切ったあたりに勝利の価値が増す。
担当する西口厩務員は「大きくは変わらないけど、骨が太くなった気がするな。背がグッと伸びたと言うより、骨格がガッチリしてきた」と証言。ここまでの成長ぶりに手応えを口にする。21日には栗東CWで5F73秒1-43秒7-13秒5を馬なりでマーク。中2週のレース間隔を意識したソフトな内容だったが「(調教を担当する助手の)小林君も“いい”と言ってくれた」と調整は順調そのものだ。
勝てば史上初の無敗の天皇賞馬が誕生。結果次第では香港国際諸競走(12月9日・シャティン)など海外にも夢は広がっていく。さらに相手が強化されるなどハードルは高いが、トレーナーは「前に行く馬だし、目標にされるだろうな。ただ、この馬のいつもの競馬をするだけ」と自然体を貫く。秋競馬で存在感を増し続ける3歳勢の大将格が、歴史的Vで新たな伝説を刻む。
提供:デイリースポーツ