netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、27日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。
【東京芝】
東京の芝は今週から仮柵設置で、Bコースを使用する。朝から終日良馬場。
結論からすると、Bコース替わりの影響が極めて大きく、完全に内枠・先行馬が有利の馬場に変わってしまった。
Aコース時には、内外の有利不利が極めて少ないフラットな馬場状態にあったのが、8日目は基本的には内を通る先行馬・しかも内枠の馬ばかりが前に行ってそのまま粘り込む形のレースが頻発。
まともに外からの差しが届いたのは、マズマズのハイペースとなった3R(2歳未勝利・2000m)のみという結果。
勝ち馬
ダービーフィズは地力上位が目立った勝ち方であったが、2、3着の追込み馬については道中内をロスなく回って、直線外に持ち出すというレースぶり。やはり、道中は内でじっとしていて、極力ロスなく運ばないと厳しいという事だろう。なお、このレースの勝ちタイムは2分1秒5。
9Rの
精進湖特別(1000万・2000m)も
メイショウカドマツが2分0秒2で楽に逃げ切り、2、3着も道中から馬順入れ替わらずという、完全な内有利の時に見られる競馬になった。
血統も、(スッと先行できるという意味での)スピードの要素が優先される感じで、そういう競馬の時は強さを発揮する
ストラヴィンスキーや
キングカメハメハ。サンデー系なら、
ダイワメジャー、
ゼンノロブロイ、
フジキセキの先行馬の活躍が非常に顕著。
明日は雨予報が出ているので一概には言えないが、もし天気が持った場合やかすめる程度の降雨であれば、終日内枠・先行有利の競馬が続くと見ていいだろう。
【東京ダート】
ダートも終日良馬場。
ただし馬場質はやや軽目で、スローペースが続いたこともあって上がり勝負の前残り決着が多かった。もちろん、その上がりも非常に速い。そうなると、伸び所も道中内をロスなく運んだ馬ばかりが好走することになる。
最終12Rなどは典型的で、内枠から先行した
エフティシュタルクがそのままゴールまで粘って1着。最内通ってロスなく運んだ
フランキンセンスが2着でマッチレースのような形に。
明日も内からスンナリ運べそうな馬を主体に狙っていって、展開がゴチャつきそうなレースの時だけ差し馬に目を向けるという形でいいだろう。
こうした軽い質の馬場・展開なので血統は先行力あるサンデー系がひとまずは有利。サンプルとして挙げるなら、上述の12R
エフティシュタルクや、8Rの500万下で初ダート1着の
サトノプライマシーのようなタイプがぴったりのように思う。
土曜の流れからすれば、明日の降雨量によってはさらに先行・内目有利の傾向が加速すると見る。
【京都芝】
終日良馬場での開催。今週は週中の雨が火曜日しか降らなかったので、完全にパンパンの良馬場と言える馬場状態だった。
傾向的には基本的に先週までとそれほど変わらなかったが、馬場質は先週よりもやや軽かった印象。
脚質傾向は、特に内回りでまだ前に付けた馬や内枠が有利な印象だった。外回りに関しても決め手がしっかりしていれば差せるが、基本的には前と内が有利な馬場だった。
血統面からは決め手があれば勝てるので、
サンデーサイレンス系有利の馬場。
ディープインパクトが2勝しているように決め手が生きる馬場となっている。
ただ、明日は雨予報が出ていて、そうなれば切れ味がそがれてしまうので、もう少し前へ行って粘り込めるタイプが有利になるかも知れないことは頭に入れておきたい。
【京都ダート】
終日良馬場での開催。ただ、全体的に時計は速く、
西陣S(1600万下)を制した
スリーボストンの勝ち時計が1分10秒0。最終レース1000万下条件を勝った
ビナスイートも1分10秒6のタイムで駆け抜けており、一日を通して非常に速い時計の決着となった。明日は雨予報が出ており、更に速い時計での決着も頭に入れておきたい。
脚質傾向は、午前中などの早いレースで結構差しが決まっていたが、後半のレースを見た感じでは基本的に逃げ・先行有利の馬場と考えて良いだろう。こちらについても、明日雨が降ればさらに傾向が強まりそうだ。
血統面からは
サンデーサイレンス系がいつもほどの勢いがなかったくらいで、特に目立った傾向はなかった。明日、雨が降って更に馬場が軽くなるようなら、今日はあまり振るわなかった
サンデーサイレンス系の巻き返しがあるのではないかと思う。
フジキセキなど先行できるタイプの
サンデーサイレンス系血統で、手先の軽い馬体構造をした馬が有利になりそうだ。
【新潟芝】
秋のローカル新潟は、今週が最終週。中間の火・木・金で合わせて50ミリ以上の降雨があったが、朝から晴れて芝は終日良馬場。
馬場に大きな影響が出たという印象はなく、先週に引き続き外回りは差し・追込みが中心。時折恵まれるような形で先行馬決着になったりもするが、大概のレースで先行馬はパッタリと止まってしまう傾向が続く。
サンプルとしては、12R鮫ヶ尾特別(2000m)で1着の
オーシャンビーナスや、10R
きんもくせい特別上位のゴッド
フリート・
マイネルホウオウのような外差しの競馬。
内回りは、短距離で相変わらず圧倒的に内枠・先行有利の流れが続いていて、夏開催からほとんど休みなしで稼働しているAコースの傾向が変わることなく続いている。
競馬の質は完全にスタミナ志向にあるので、
ハーツクライや
リンカーンに代表される
トニービンの要素については、今の馬場とは切っても切り離せない印象。
明日の天気予報は芳しくないが、同様の傾向が続くと見ていいだろう。
【新潟ダート】
ダートは雨の影響を受けて、終日稍重。
先週までは時計の掛かるシーンが目立ったが、今週はさすがに時計も出ている。
1200m戦の脚質は相変わらず前目が有利。ただし、前走で先行している馬がいいというよりは、他所からの転戦馬で、距離を短くして相手関係や適性面から先行した馬が頻繁に穴を空けている印象。内枠の苦戦が続いた。血統的には相変わらずミスプロ系の先行馬が強い印象。
1800mも早めの競馬が理想ではあるが、差しやマクリもよく届くようになって、特に決め手あるサンデー系の台頭が多かった。このあたりは、湿った馬場で決め脚の勝負になることが多いからだろう。
波乱のレースも多いが、明日も同様の傾向が続くと見たい。