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京都芝は一転して先行有利/土曜日(10日)の馬場傾向分析

  • 2012年11月10日(土) 20時00分
 netkeiba.com、競馬総合チャンネルのパドック予想でお馴染みの古澤秀和氏による、10日(土)の傾向分析です。明日の予想にお役立てください。

【京都芝】

 終日良馬場での開催。

 最も顕著な傾向としては、外差しが有利だった先週とは一変して、先行が有利だったこと。確かにスローペースの競馬は多かったが、前半3ハロン34.7秒とマズマズのペースで流れた芝1400mのファンタジーSで、2番手のインコースでレースを進めたサウンドリアーナが3馬身差の圧勝を見せたように、道中でロスの無い競馬をしていた馬が上位に来やすい馬場となっている。

 しかし、差しも決まらないわけではない。ただ、差してきているのは特定のタイプで、軽さと柔軟性で走るサンデーサイレンス系の差しというよりは、ウォーエンブレムなどのミスタープロスペクター系のように、ある程度の硬さのある筋肉を持った馬が好走していた。

 明日は雨予報。元々は荒れ気味の内が、この雨で悪くなってしまう可能性もあるので、早い時間帯のレースからよく観察しておきたいところだ。

 差しが決まってくるようなら、土曜日のようなミスタープロスペクター系で硬めの筋肉を持った差し馬に注目したい。

【京都ダート】

 終日良馬場での開催。

 土曜日の京都ダートに関しては時計は標準で、馬場の伸びどころや脚質にも特に偏りが無い、非常にフラットな状態。血統的にも特に傾向はなく、非常にフラットと言える状態だ。

 そんな馬場状態だけに、馬券検討の際にはフィジカルとデキを重視して、正攻法で攻めれば良いだろう。

 ただ、明日は雨予報。雨が降ると馬場質が軽くなり、それに伴い時計も速くなって先行馬や内枠、軽い骨格のタイプが有利になる可能性が高い。どの程度雨が降るかはわからないが、基本的には内枠・先行・軽い骨格・サンデーサイレンス系がキーワードになりそうだ。

【東京芝】

 芝は今週もBコースを使用。中間の月・火に17.5ミリの降雨があったが、朝から終日良馬場。芝に関しては、時計・上がりが非常に速かったので、殆ど影響がなかったものと見たい。

 11R京王杯2歳Sは、早め2番手を追走のエーシントップが1分21秒2で押し切り優勝。2着も内枠の利を生かしたラブリーデイ

 Bコースの馬場は相変わらず高速状態が保たれていて、道中引き続き道中で内目を取った馬が結果への恩恵を受け続けているような状態。10RのオーロCはゴール前でインプレスウィナーが大外から追い込んだが、これも4コーナーまでは内でロスなくじっとしていた馬だった。ここへ来て決まり手も多彩になってきた感もあるが、差すにしても直線向くまでは内にいた方が好結果に繋がっている印象。

 血統面は先週よりも、前々で押し切れるようなタイプのフジキセキ産駒や、そのような競馬では同じように力を発揮するキングカメハメハなどが非常に好相性だった。

 少なくとも10日土曜に関しては、スンナリと好位を取って最後に抜け出す、もしくは内でじっとして直線だけ脚を使う、血統・脚質ともにそんなタイプが一番合っているように思えた。

 明日も雨が降っても少しで、天気が保つようなら、馬券検討の際に速い時計や上がりタイムを意識するよりも、道中ロスのない内目の位置取りで運べる馬を探す方が好結果に繋がる筈だ。

【東京ダート】

 ダートも終日良馬場。見た目にも砂煙が上がって一見パサパサだが、実際には雨の影響が残っていたようで、内目を通った馬ばかりが好走していた。

 脚質的にも、前がなかなか止まらず、時計・上がりともに比較的速い、軽めの馬場質。先週の力の要る良馬場とは、ニュアンスが違った印象。

 それが一番表れているのが道中通った位置取りで、ここ数週の芝と同様に先行馬と内目をロスなく運んだ馬ばかりが上位に来るという馬場状態になっていた。差し馬も、道中内目を通った馬ばかりが大半。外を回らされると辛い。

 血統は大きな偏りが無かったが、先週のような力の要る良馬場で好走が目立ったパワー型・キングカメハメハ産駒の台頭などは薄れている印象。あえて挙げるなら、サンデーサイレンス系の差し、ミスタープロスペクター系やストームバード系なら先行タイプがベターだろう。

 もし明日雨でダートが湿るようなら、上記の傾向に拍車が掛かると見たい。降らない場合は乾燥も期待できるが、それは当日にならないとわからない。

【福島芝】

 福島芝は終日良馬場だったが、11Rから以降は小雨が降った。ただ、馬場に与える影響は殆どなかったと見たい。

 この開催は6日間全日Aコース使用だが、3日目の脚質は逃げ・差し自在の馬場。確かに逃げ馬もよく残った1日だったが、展開のアヤで残った人気薄なので事前に馬柱から探し出すのは難しい。

 伸び所は1200mなら下手に好位を先行して外々を回るのが一番駄目で、先行する場合は行き切るぐらいの馬がいい。12R五色沼特別などもそうだが、そんな感じで前で追いかけ合うと、最後に中団外目を回っての差しも届き出している。

 1800mは内を通る馬が有利。内を通れる馬で、かつ前目を狙える馬が狙い目という印象。ペースの割に時計も出るので、どうしても内・前が有利になっている。

 血統傾向だが、1200mは先週に引き続き、(母父含めて)ヌレイエフやダンジグ、デピュティミニスター、リファール系などノーザンダンサーの系統の好走が続いている。中距離は結構難しいが、トニービン系やグレイソヴリン系などスタミナタイプや、ロベルトのパワー型が高配当をよく提供している。

 明日の天気がまるで読めないが、持つようなら今日の延長線上で考えておけばいいだろう。雨がまともに降るなら、3日目よりもっと差しが届くようになるのと同時に、荒れ馬場を苦にしないタイプの先行馬の穴が妙味となりそう。

【福島ダート】

 ダートも終日良馬場で、パサパサに近い状態。中間に降った雨の影響も皆無。引き続き時計も掛かっている。

 11R福島放送賞(1000万下・1700m)も前半61秒6と馬場を踏まえればハイペースとなり、最後に上がりもしっかりと要して、直線一気の差し脚を見せたレジュールダムールが優勝。しかし勝ちタイムは、1分46秒3に留まっている。やはり、スタミナ・パワー志向の強い馬場だ。

 メインのレース展開を見ても分かるように、今の良馬場が続く限りは逃げ差し自在の非常にフラットな馬場。土曜は逃げ馬が4勝だったが、力の要る馬場で好位グループが楽に行かせ過ぎている面が大いにあった。

 そのようなパワー・スタミナの前面に出た馬場なのでミスタープロスペクター系やロベルト系が非常に力を出せる馬場状態。サンデーサイレンス系なら、どちらかというと差しタイプの方が狙いやすい。

 明日も乾いた馬場でやれるなら、引き続きパワータイプの馬の好走が続きそうだ。湿った場合は、一転して先行有利に変わる可能性があるのでしっかり観察しておきたい。

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