有馬記念(GI・芝2500m)に出走予定の
ナカヤマナイト(牡4・二ノ宮敬宇厩舎)と
ダイワファルコン(牡5・
上原博之厩舎)についての、各調教師のコメント。(取材・写真:佐々木祥恵)
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ナカヤマナイトについて、二ノ宮敬宇調教師
先週、ジョッキーに乗ってもらっていい感じの追い切りができました。今週もジョッキーが乗りたいということだったので、柴田(善)騎手に乗ってもらいまして、調整程度の内容でしたが、予定通りの追い切りができました。馬もどこといって悪いところもないので、思ったような調教を課すことができています。
前走の
天皇賞・秋(GI・芝2000m・9着)は、乗り役の判断であの位置からのレースでしたが、まあ競馬ですからね。レース後も、あまりダメージもなかったですし、体も成長しているようにも思います。いい感じで調教もできているので、天皇賞は1つの
ステップと考えればいいかなと思っています。
東京でも勝っていますが、中山で勝ったレースの方が私自身も印象に残っていますし、中山の方が走りやすいのかなという感じを受けています。今日も右回りの調教でしたが、トモの力が前に伝わっていましたし、首を下げてしっかりと力強くいい感じで走っていました。左回りでも苦にしないですが、結果的には右回りの方が良いようですね。
これまで、いろいろと経験を積む中で、体が細くなったり、太くなったりもしていましたが、ここに来てようやく体ができてきたのかなという気がします。力がどんどんついてきて、
有馬記念という舞台に立てることになりましたが、調教の課程やレースの経験を積み重ねて、確実に
ステップアップしていると思います。海外遠征も経験していますが、あの時は決して良い状態というわけではなく、可哀想な面もありました。けれども、あの時の経験があるから、今があるのかなとも思っています。
来年はもっと良くなってくれるでしょうけど、現段階でも、十分走れる状態にあると思いますし、いい状態で使うわけですから、強いメンバーと走ってどのくらいの差があるのかを。今回のレースではかることができそうですね。どこも不安な部分はないですし、調教もじっくりとできました。このような良い状態で使えるということも、そう多くはないでしょうから、頑張ってくれると思います
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ダイワファルコンについて、
上原博之調教師
前走の
福島記念(GIII・芝2000m)は、やっと自分の競馬ができ、優勝することができました。福島の小回りというのもありましたが、調子も上がってきていましたからね。以前は子供っぽいところがあって、それが成績のムラにつながっていましたが、最近は精神的に大人になって、だいぶ落ち着きも出てきましたし、安定してきました。
前走後は、
有馬記念を視野に入れて、様子を見ながら調整していましたが、状態は引き続き良いですね。1週前は、動く馬を前に置いて、その馬を目標にしての追い切りでした。追いかけながらも、しまいもしっかり伸ばす良い調教ができたと思います。今週は調整程度でしたが、それでも65秒台が出ていますし、単走で予定通りの追い切りでした。秋から冬にかけて調子が上がってくる馬で、秋3戦も良い状態でしたが、今回も引き続き良い状態をキープしています。
中山のコース形態はこの馬に合っていますし、折り合いもつく馬で、
オールカマーで2200mに対応できていますから、距離も心配していません。メンバーは揃いますが、この馬にもチャンスがあると思っています。あとは、先行して早めに抜け出すという、この馬のレースができればいいですね。
有馬記念は、関わる人間にとっても馬にとっても夢の舞台ですから、勝ちにいくつもりで、頑張りたいと思っています」