前夜から降り続いた雪が積もり、調教時間中も激しい降り方になる時間帯もあった19日の栗東。後半の時間帯には雪も解けてきたが、雪の影響はウッドチップ馬場に大きな影響を与えた。
特に坂路は各陣営から悲鳴のような声。あまりの馬場状態の悪さに追い切り場所を変更する陣営も少なくなく、現状だと、坂路馬場に関してはウッドチップの入れ替えが早急に行われるべきなのかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
19日の一番時計は
デアリングプライド(栗東・
藤原英昭厩舎)の4F52.4秒だったが、二番時計は4F53.4秒。53秒台も僅か5頭しかおらず、とにかく時計の掛かる、重たい馬場状態となった。
もちろんラスト1Fで時計を要す馬が続出したが、そんな中、
阪神カップに出走予定の
コスモセンサー(栗東・
西園正都厩舎)は軽快な動き。14.4〜14.0秒で前半を入って、後半は12.9〜12.7秒。寒くなってきたこの季節でより調子が上向いている、そんな印象を持たせる追い切り内容。同厩舎
シルポートの動きが目立たなかっただけに、余計に絶好の動きに見えたというのが正直な感想。
これだけ馬場が重くなると、馬場差がつけにくいが、全体的な時計の出方から、19日、20日とも『+2.7秒』の馬場差で観測した。
【CW/5F66.5秒】
坂路ほどではないにせよ、先週に比べると時計が出にくいCコース。ただ馬場状態が悪いことが頭に入っている乗り手は前半をゆったり進めて、後半しっかりと速いラップを刻むという追い切り
スタイルをとっており、この場合はそこまで時計が掛かるということはなかった。
樅の木賞に出走を予定している
ブロードソード(栗東・松田国英厩舎)は全体の時計は遅かったものの、ラストの伸びが目立った一頭。
スノーレガーロを追走する併せ馬だったが、大外を回ったにも関わらず、直線に向いて相手を煽る勢いで併入。6F85.8秒だが、1F12.2秒は抜群の手応えでマーク。ダートに転じて勝ち上がった前走だが、今回も好調を維持しており、有力馬であることは間違いない。
なお今週の馬場差は19日は『+0.4秒』と重い馬場で観測したが、20日は馬場が乾いた印象があり『+0.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
坂路のウッドチップの状態が悪かったことから、Dコースを利用する馬が増えた今週。ポリトラック馬場はもちろんだが、積もっていた雪が解けた後半の時間帯は芝馬場を利用する厩舎も少なくなかった。
そのうちの一頭が
ダイワレーヌ(栗東・松田国英厩舎)。2008年
有馬記念優勝馬、
ダイワスカーレットの初仔ということで注目を集める新馬だが、その最終追い切りが芝馬場で行われた。
今週の併せ馬パートナーも1週前にCコースで併せた
ワイルドフラッパーだったが、相手がダート実績を残している馬ということもあり、スピードが必要な芝ではこちらが完全に優勢。追走したにも関わらず、外回った
ダイワレーヌが楽な手応えで先着。芝で追い切った理由については「ウッドチップの状態を考慮して」と松田国英調教師なので、今週の調教馬場状態から、最終追い切りはこの選択がベストということになりそう。
なお今週のDPは先週とほぼ変わりなく、19日、20日ともに『-0.5秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)