今週末、
中央競馬の重賞レースは、17日(日)に東京で2013年GIレースの一発目、
フェブラリーSが行われる。同日の小倉でハンデ重賞・
小倉大賞典。前日16日(土)は、東京で3400mのマラソンハンデ重賞・
ダイヤモンドSが行われる。各レースに出走を予定している、主な有力馬は以下の通り。
■2/17(日)
フェブラリーS(4歳上・GI・東京ダ1600m)
カレンブラックヒル(牡4、栗東・
平田修厩舎)は、3歳1月デビューから、破竹の4連勝で
NHKマイルCを制覇。ひと夏越えての
毎日王冠では、有力古馬をも撃破した。前走
天皇賞・秋では、さすがに距離も堪えて5着に敗れたが、それでも完成されたスピードを存分に見せつけた。今回は「初ダート」という大きな課題を背負うが、スタート地点は「芝」。ダッシュよく飛び出せても、そこから先は未知の領域への挑戦。色んな意味で、最も注目を集める存在となる。
ワンダーアキュート(牡7、栗東・佐藤正雄厩舎)は、半年ぶりの
JBCクラシック(川崎2100m)でGI初制覇。その後、JCD2着、
東京大賞典(大井2000m)3着、そして前走の
川崎記念でも2着。使い詰めの嫌いはあるが、それでも一線級が集うレースで力を出し続けている。昨年3着のこのレースでも、引き続き有力な一頭となる。
グレープブランデー(牡5、栗東・安田隆行厩舎)は、2011年
ジャパンダートダービー(大井2000m・交流GI)を制したあと、故障で約1年休養。戦線に復帰してもしばらく思うような成績を残せなかったが、冬場に入ってJCD5着、前走・
東海Sでは中団追走から一気に抜けて3馬身差の完勝。ここへきて上げ潮ムードに乗ってきた。東京1600mは3歳春に
ユニコーンSで2着としており、コース替わりにも不安は少ないだけに、ここでどこまでやれるか。
ガンジス(牡4、栗東・
矢作芳人厩舎)は、ダート通算8戦4勝、2着3回、3着1回とすべてのレースで馬券の対象となってる。前走・
根岸Sでもゴール寸前まで先頭にいながら、勝ち馬の強襲に屈する形での2着。東京1600mも、昨秋の
武蔵野Sで2着。挑戦者の立場で挑める今回は、一連の正攻法か、それとも奇策があるのか。いずれにしても、安定感抜群で目の離せない一頭。
イジゲン(牡4、美浦・
堀宣行厩舎)は、その
武蔵野Sの優勝馬。しかも、スタートで5〜6馬身ほどの大きな出遅れをかましてしまい、絶望的な位置取りとなりながら、4コーナーでは早々に先団に取り付き、直線半ばで楽々と先頭に立って押し切る離れ業を見せている。前走・JCDでは、気性難が仇となってブービー15着(4番人気)に惨敗。東京1600mは2戦2勝と底を見せておらず、やはり再注目される。
シルクフォーチュン(牡7、栗東・
藤沢則雄厩舎)は、昨年の2着馬。追込み脚質でその後は安定した成績を残せなかったが、暮れの
カペラSでは新コンビ・横山典騎手を背に久々に末脚を炸裂させての復活優勝。距離延長となるここも展開一つ。同じように、天下一品の差し脚を披露できるか。
その他、昨年の優勝馬
テスタマッタ(牡7、栗東・
村山明厩舎)や、ここへきて安定感が伴ってきた東京巧者の
ナムラタイタン(牡7、栗東・
大橋勇樹厩舎)、さらにはGI7勝馬でダート界の大御所・
エスポワールシチー(牡8、栗東・
安達昭夫厩舎)など、目移りするほど多彩な顔ぶれが揃った2013年一発目のGIレース。発走は15時40分。
■2/17(日)
小倉大賞典(4歳上・GIII・小倉芝1800m)
エクスペディション(牡6、栗東・石坂正厩舎)は、昨夏の
小倉記念を制するなど、全6勝中5勝が小倉芝1800〜2000mという現役屈指のコース巧者。休み明けの
京都金杯(15着)を叩いてホームグランドへと帰還し、ここは再度主役を担う一頭。
ダコール(牡5、栗東・
中竹和也厩舎)は、秋の
福島記念で2着馬
アドマイヤタイシにハナ差及ばずの3着。前走
日経新春杯では10着(3番人気)に敗れたが、3戦2勝2着1回と好相性の小倉コースで挽回を狙う。
ヒットザターゲット(牡5、栗東・加藤敬二厩舎)は、
福島記念で馬場の悪い内目を突く形で
ダコールと差のない4着。前走・
中山金杯では10着に敗れたが、着差は勝ち馬から0.6秒差と着順ほどには、という内容。こちらも、小倉コースは3戦2勝と適性十分。
ゲシュタルト(牡6、栗東・長浜博之厩舎)は、昨夏の
小倉記念で勝ち馬から0.8秒差の5着。それ以来の実戦復帰となった前走
AJCCでは、最後の直線でまともに不利を受けた馬の一頭。小倉2000mで行われた2010年、11年冬の
中日新聞杯では3着、2着上位争いしており、こちらもコース替わりで期待が掛かる。
サンシャイン(牝4、栗東・
藤岡健一厩舎)は、現状除外対象ではあるが、前走
愛知杯は2番手で流れに乗って10番人気で2着。牝馬3冠路線を皆勤した馬が、徐々に実力を開花させてきた。今回は小回りコースで粘り込みを狙う。
その他、こちらも除外対象だが、朝日CCでは13番人気で3着とするなど混戦での末脚には定評がある
タガノエルシコ(牡8、栗東・
宮徹厩舎)、2走前の
ディセンバーSでの2着など小回り向きの先行力を持つ
マルカボルト(牡6、栗東・
羽月友彦厩舎)など、各馬が隙あらばと一発を狙って参戦のローカルハンデ重賞。発走は、
フェブラリーSの20分前・15時20分。
■2/16(土)
ダイヤモンドS(4歳上・GIII・東京芝3400m)
ジャガーメイル(牡9、美浦・
堀宣行厩舎)は、2010年
天皇賞・春の勝ち馬。
天皇賞・秋7着、JC10着ときて、前走
香港ヴァーズ(芝2400m)であわや1着かという、惜しい2着。年明け緒戦には、冬のマラソン重賞・
ダイヤモンドSを選択。トップハンデの58.5キロと、人気を背負って走る今回は、同じように力を出せるかが最大の鍵となる。
アドマイヤラクティ(牡5、栗東・
梅田智之厩舎)は、暮れの
金鯱賞、年明けの
AJCCと中距離のGIIで連続3着。追えば追うほど伸びるタイプだけに、陣営も距離延長に大きな期待を寄せて賞金加算を狙う。
ユウキソルジャー(牡4、栗東・服部利之厩舎)は、昨年の
菊花賞では7番人気で3着に飛び込んだ。
父トーセンダンスは
ダンスインザダークの全弟にあたり、自身の勝ち星も全3勝中2勝が2400m以上という、典型的なステイヤー。現状は残念ながら除外対象馬だが、出走してくるようなら一躍主役候補となる。
ファタモルガーナ(セン5、栗東・
荒川義之厩舎)は、前走・中山のマラソンレース、
ステイヤーズSで、向正面では後方から一気にマクって2着。3着馬の
デスペラードはその後、年明け京都の
万葉S(3000m)を制しており、
ディープインパクト産駒のステイヤーとして、ここも好走が期待される。
メイショウカドマツ(牡4、栗東・
藤岡健一厩舎)は、
神戸新聞杯(11着)までは重賞路線。そこからは条件戦でコツコツと好成績を積み上げて、前走
松籟S(京都芝2400m)を逃げ切って準OPもたった2戦でクリアした。再度重賞挑戦となるが、安定した先行策から粘り込みを狙う。
その他、昨年はブービー15番人気でこのレースを逃げ切った
ケイアイドウソジン(牡7、美浦・
田村康仁厩舎)、条件戦からの叩き上げながら、末脚確実で距離延長は望むところの
エーシンミラージュ(牡5、栗東・坂口正則厩舎)など、年に一度の府中マラソン重賞に、ステイヤータイプが多数出走の構え。発走は土曜の15時45分