カレンブラックヒルが豪快な走りで好仕上がりを伝えた。栗東坂路で
ハーデス(3歳未勝利)との併せ馬。雨の影響を受けた力のいる馬場状態も何のその、
パワーも兼備する芝のGI馬はまるで苦にしない。4F52秒9-38秒6-12秒6をマークし、余裕の手応えのまま、1秒9の大差先着を決めた。
またがった秋山は「もともと動く馬なので。変わりなく順調だと思う」。最終追い切りは平地の栗東CWコースで行うのがこの馬のパターンだったが、今回は珍しく坂路追いに切り替えた。「もうコースでやらなくていいという厩舎の判断です。今回は牧場でも乗っていましたから。同じ放牧明けでも
毎日王冠(昨年10月1着)より仕上がりがいい。間隔があいてもマイナスにならない馬だから」。
天皇賞・秋以来、3カ月半ぶりの実戦ながらも仕上げに胸を張った。
ダートは初参戦だ。過去に
JRAの芝、ダートの両GIを制した馬はわずか4頭だけ。これまでに初ダートがGIだった馬は21頭を数えるが、3着が最高(01年
フェブラリーSの
トゥザヴィクトリー)と壁が高いことを歴史は物語る。それでも「やってみないと分からないけど、この馬の能力を発揮すればこなせると思う」と、主戦は前向きに話す。
マイルの距離が自信を深める理由でもある。「
毎日王冠、
天皇賞(秋)と挑戦して、2000mは若干長いかなと思った。千六の方が折り合いを気にせず走れる。スピードのある馬でスタートも速いので、前でレースができれば」。デビューから6戦5勝。唯一黒星を喫したのは
天皇賞・秋の5着だけで、マイル戦では依然、4戦無敗の
パーフェクトを誇る。最も得意とする距離なら、未経験の舞台でも克服可能と見込んでいる。戦国模様のダート界に足を踏み入れる新参者が歴史の扉を開く。
提供:デイリースポーツ