このところの栗東は、どこかのタイミングで雨量が多くなり、必ずウッドチップ馬場に影響を与えるという
サイクルが続いているが、今週は18日が日中、雨が降り続いた。19日は雪が降り、時には視界が遮られるほど。
そんなわけで、雨こそ降らなかった20日だが、ウッドチップには「これでもか」と言わんばかりの水分量。19日に坂路馬場の逍遥馬道でウッドチップを踏んだ時にすごく重たい印象だったので、それがそのまま追い切り当日の馬場になった感じだろう。
【坂路/4F51.9秒】
先週の坂路馬場、この欄では「どうしようもないくらいに重いわけではない」と記したのだが、今週は「どうしようもないくらいに重い」馬場。20日の一番時計は
ロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)の4F52.7秒だったが、この馬はもう馬場差の基準として見るべき馬ではない。そのくらい、桁外れに動く、スピードと
パワーを兼ね備えている。
4F54秒を切ったのが10頭しかいなかったわけだが、そのほとんどがラスト1F13秒後半。中には1F14秒以上要してしまっている馬もいる。それだけ最後の200mで止まる馬場なのだが、
阪急杯で連覇を狙う
マジンプロスパー(栗東・
中尾秀正厩舎)は2回目のハロー明けという時計の出にくい条件で、素晴らしい動きを見せている。
先週は「+1.6秒」と最近にしては、さほど重くない馬場差だったが、今週は20日が特に重い状態なので『+3.1秒』で観測。ただ21日は次第に馬場が乾いている印象もあり『+2.0秒』で観測することにした。
【CW/5F66.5秒】
毎度のことだが、同じウッドチップ馬場でも坂路とCコースでは時計の出方が大きく違う。非常に時計の掛かる坂路に対して、さほど時計は掛かっていないというのがCW。もちろん先週よりは馬場が重くなっているが、それでも基準よりも時計が遅いというわけではない。ちなみに20日、21日ともにさほど馬場差に違いはなさそう。
21日。前走
きさらぎ賞は1番人気の支持を受けながらも、8着惨敗に終わった
リグヴェーダ(栗東・
池江泰寿厩舎)が朝一番に追い切られた。個人的には、雪で中止になった
京成杯の影響を受けたものだと感じていたが、前走後の調教時計を出すのが遅く、この中間の仕上がり具合を心配していた。
先行していた
ティアーオブジョイを交わすのに、少し時間が掛かるような感じ。また、6F87.8〜5F70.9〜4F55.2〜3F41.4〜1F12.9秒と時計自体も決して速くなく、まだまだこの馬本来の走りでない印象を受ける。来週の自己条件、アルメリア賞(3月2日・阪神芝1800m)を予定されているようだが、今の状態からどこまで良化してくるのか、少し心配ではある。
馬場差は20日、21日とも『-0.5秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
今週も100頭を超える盛況ぶりを見せたDコースのポリトラック馬場。速い時計が目立っているが、本当に調子が良さそうなのは、直線に向く際に持ったままの手応えで重心がブレていないようなタイプ。
双眼鏡越しに、このような動きができていたのは、
シゲルオオカミザ(栗東・服部利之厩舎)、
ミキノバンジョー(栗東・
大橋勇樹厩舎)、
カレンシェリーメイ(栗東・安田隆行厩舎)など。
馬場差は先週同様、雨の影響でいくらか時計が出やすいようなので、20日、21日ともに先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)