2012年の牝馬三冠に輝き、週末のドバイ・シーマクラシックで世界制覇に挑む
ジェンティルドンナ。その三冠レースすべてで
ジェンティルドンナの2着に屈したのが
ヴィルシーナ。管理する
友道康夫調教師に、ラ
イバル陣営だからこそ知りえる
ジェンティルドンナの強さを聞いた。(取材・写真:井内利彰)
―これまで
ヴィルシーナは、
ジェンティルドンナと4度の対戦がありましたが、どんなところが
ジェンティルドンナの強さだと思いますか?
ディープインパクト産駒の牝馬は普通は小柄で、いかも牝馬って感じの馬が多くて、
ヴィルシーナはそんな感じですが、
ジェンティルドンナはパッと見た感じは牡馬みたいですもんね。特に昨年の秋以降は
パワーアップして、迫力が増したような印象があります。
それと
ヴィルシーナはいい脚を長く使うタイプなのに対して、
ジェンティルドンナは非凡な瞬発力を持っていますね。一番着差が小さかった(ハナ差)
秋華賞でも、
内田博幸騎手が、
ヴィルシーナの長所を最大限に発揮して、レースをしてくれたんですけど。
―
ジェンティルドンナとの対戦で最も着差がついたのは、
オークスでしたが、これは何が原因だったのでしょうか?
はっきりした原因というわけではありませんが、
オークスの時の
ヴィルシーナはパドックでジョッキーが跨ってから入れ込んだんですよ。もともと環境の変化に強い馬でしたし、
クイーンCで東京競馬場の経験もありましたから。それが、あれだけ入れ込んだので、
ローズSからはパドックではジョッキーは跨らず、本馬場に出る前の地下道で跨ってもらうようにしています。
―牝馬ってちょっとしたことで、競走に大きな影響を与えてしまうんですね。
でも
ジェンティルドンナは
ジャパンCで馬体をぶつけ合っても怯まない、強い精神力を持っていますからね。体も牡馬みたいですが、気持ちも相当強いんじゃないでしょうか。
―最後に
ジェンティルドンナへのエールをお願いします。
ジェンティルドンナが良い結果を出して帰国してくれれば、次に対戦する機会がある時に「今度こそ絶対に負けない」って燃えるものがありますよね。そのためにも、ぜひ頑張ってほしいと思います。