28日、17時35分(現地16時35分)に香港・シャティン競馬場で行われた、オーデマ・ピゲ・クイーン・エリザベスII世C(GI・芝2000m・1着賞金798万香港ドル・14頭立て)に、日本から2010年
日本ダービー馬で、昨年の
天皇賞・秋を制した
エイシンフラッシュ(牡6、栗東・
藤原英昭厩舎)が出走した。
レースでは、
M.デムーロ騎手騎乗で14頭立ての13番ゲートからスタートした
エイシンフラッシュは、道中前半1000m通過が63秒台で流れるスローペースをじっくり脚を溜めての最後方を追走。3〜4コーナーにかけての手応えもよく、前を行く13頭をじっくりと見ながら最後の直線に向いてくると、進路をインコースに切り替えて鋭く脚を伸ばして残り50mで3番手に浮上。その後も鋭く伸びて差し込み、最終的には勝ち馬でT.
ベリー騎手騎乗の
ミリタリーアタック(セン5、香港・J.ムーア厩舎)、2着の
カリフォルニアメモリー(セン7、香港・A.
クルーズ厩舎)に最後は猛然と迫って捕らえかけたところでゴールとなって、非常に惜しい3着に入った。勝ちタイムは、2分2秒14(馬場good)。
なお、今年の香港ダービーを制して1番人気に推された
アキードモフィード(セン4、香・R.
ギブソン厩舎)は5着、2番人気の
アンビシャスドラゴン(セン6 香・A.ミラード厩舎)は直線で前をカットされる不利もあって6着、今年のドバイデューティフリーの勝ち馬サッジャー(牝6、首・S.ビン=スルール厩舎)は4着にそれぞれ敗れた。
ミリタリーアタックの手綱を取った
ベリー騎手は07年に
オーストラリアのニューサウスウェルズ州でデビュー、同シーズンのチャンピオン見習い騎手となった。
ゴールデンローズステークスや
ゴールデンスリッパーなどの大レースを制したことが認められ、香港シーズン最終日までの短期免許を取得。この日が初めての海外での騎乗で、いきなりの大仕事をやってのけることとなった。
エイシンフラッシュは、
父King's Best、
母ムーンレディ、その父Platiniという血統。昨年の
天皇賞・秋で感動の復活優勝に導いた
M.デムーロ騎手を背に、ゴール前で見せ場たっぷりの惜しい3着でゴールイン。勝利こそならなかったが、6歳を迎えた今シーズンの活躍を期待させる走りを見せて、香港遠征を無事に終えた。
ミルコ・デムーロ騎手
「スローペースになると思っていました。この競馬場の他のレースを見ていて、必ず4コーナーでインが開くようだったので、それを狙いましたが、このレースでは窮屈な形になってなかなか抜け出せなくて残念です。」
藤原英昭調教師
「結果的には外枠が響きました。スローペースは予想できたので、もう少しいい位置で競馬できれば結果も違ったかもしれませんが、最初のコーナーで位置を取りに行っては最後の脚は出せません。乗り慣れたミルコなのでその辺もうまく判断して、よく乗ってくれたと思います。負けましたが香港の競馬ファンに強さを見せられたと思います。今後のプランは帰国してからまた秋のことも含めて考えます。」
【プロフィール】
◆
エイシンフラッシュ(牡6)
騎手:
M.デムーロ厩舎:栗東・
藤原英昭父:King's Best母:ムーンレディ母父:Platini
馬主:平井克彦
生産者:社台
ファーム
通算成績:24戦5勝(重賞3勝)
主な勝ち鞍:2010年
日本ダービー(GI)・2012年
天皇賞・秋(GI)