未明まで降り続いた雨も上がった午前6時過ぎの美浦坂路。
インパルスヒーローは先週に続き、僚馬
レッドブルピサ(4歳500万下)との併せ馬に臨んだ。終始、楽な手応えから残り200m過ぎであっさりとらえると、最後は1馬身の差をつけた。4F51秒1-37秒4-12秒4。「前の馬が51秒ぐらいで引っ張るから、それにくっついて、しまいだけサーッと、という指示。ほぼ馬なりだけど、やればいくらでも動きそうな手応えだったよ」と田中勝は感触の良さを伝えた。
デビュー戦からコンビを組み、その信頼関係は一戦ごとに厚みを増してきている。「最初から素直だったし、コントロールしやすい馬。うーん、特にそれ以上はなかったけど、一度使ったら動きが軽くなってきた。これはちょっといい感じになるかなと思った」。
デビュー戦こそ2着に敗れたが、その後、3連勝。重賞初挑戦となった前走の
ファルコンSでも、危なげのないレースぶりで初のタイトルをゲットした。「何の心配もなかったので落ち着いて乗れた。馬もそれに応えてくれて、4角もスムーズに回れた。あとは直線で伸びてくれれば勝てるし、駄目なら駄目って感じで…」と自身2年ぶりの重賞Vを振り返った。
“カッチー”の愛称で親しまれ、その明るいキャラクターは周囲を和ませる。「せっかくのチャンス。今、関東馬も勢いに乗っているし、前走内容でさらに希望が出てきた。この馬もあやかりたいね」とそっとほほ笑む。
4月24日の美浦坂路では、自己ベストとなる4F49秒5をマーク。最終追い切りも順調にこなし、状態に不安はない。「とにかく乗りやすい馬。府中のマイルも気にしてない。リズム良く、あの馬の競馬を崩さないように乗るだけ」と07年の
皐月賞(
ヴィクトリー)以来、6年ぶりのGI制覇へ意気盛ん。府中の杜に“カッチー・
スマイル”がはじけるか。
提供:デイリースポーツ