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国枝栄調教師に聞く、オークス勝利のカギと来年のクラシック候補/美浦トレセンニュース

  • 2013年05月13日(月) 16時50分
 今週は3歳牝馬の頂点を決めるオークス(GI・芝2400m)が行われる。1600mの桜花賞から一気に800m距離が延長されるオークス。心身ともに不安定で難しい3歳牝馬に、この距離延長は厳しいものに思えるが、過去に桜花賞オークスの2冠を達成した女傑は実に13頭にのぼる。今年は関東馬のアユサン(手塚貴久厩舎)に2冠達成のチャンスがあるわけだが、距離延長を克服して14頭目の女傑となれるかどうかに注目が集まる。そこで2010年に桜花賞オークスに優勝したアパパネを管理していた国枝栄調教師に、牝馬2冠を制する秘訣を語ってもらった。併せて、来年の桜花賞オークス候補となるであろう、話題の2歳牝馬(母ダイワスカーレットピンクカメオ)についても話を聞いた。(取材・写真:佐々木祥恵)

桜花賞からオークスは一気に距離が延びますけど、牝馬の場合は能力通りに走れば、オークスでもいいところに来ますよね。だからオークスでは、桜花賞組が良い成績を収める傾向にあるのだと思いますよ。ガンガン引っ掛かっていく馬なら別ですけどね。

 アパパネはマイラータイプの体型でしたけど、オークスの2400mは能力の高さで勝ってくれたと思います。まあ2400mはギリギリだったかなと思いますけどね。マイルまでなら、息を作っておいてスピードで押し切ることができますけど、2400mになるとさすがにそれは難しいので、それまでは坂路で調教をしていたのを、長い距離を乗るという意味もあって、フラットコースに変えました。つまり、レースに則した調教をするということですよね。

 オークスの時期は、ちょうど暑くなってきて、体がシャープになってきたのも良かったと思いますよ。体質も段々、強くなってきてくれましたしね。古馬になってからは、中年太りで(笑)、なかなか絞れなくなりましたけど(笑)。それでも丈夫な馬でしたし、それだから様々なことに対応してくれたというのもあるのではないでしょうか。弱かったら思った通りにはいかないですから。あの馬では、いろいろと勉強をさせてもらいましたね」

 アパパネの能力の高さ、丈夫さに加えて、レースに則した調教を行ったことが、桜花賞オークスと2冠を達成した鍵となっていたようだ。

 オークスが終わると、ほどなくして2歳のメイクデビュー戦が始まる。既に入厩しているダイワレジェンドブルーロータスについては、以下の通りだ。

 まずダイワレジェンド(牝2・父キングカメハメハ)から。母は桜花賞秋華賞エリザベス女王杯有馬記念など重賞6勝を挙げた名牝ダイワスカーレットだけに、期待も大きい。

「順調に調教は進んでいますよ。今週、ゲート試験を受けさせようと思っています。北村(宏)騎手に乗ってもらっていますが、彼の意見も聞いて今後についても決めるつもりです。良さそうなら早めのデビューもありますが、結果を求められる馬ですから、いつデビューとは決めないで、態勢が整った時にデビューさせる予定です。ですから、場合によっては1度放牧に出すこともありますよ」

 次にブルーロータス(牝2・父ディープインパクト)。母はNHKマイルC勝ちのピンクカメオで、国枝栄厩舎の管理馬だった。

ダイワレジェンドと一緒に進めていて、今週、ゲート試験を予定しています。この馬もレジェンドと同じく、結果が求められる馬ですし、態勢が整った時にデビューさせようと思います。ただこちらの方が、仕上がりが早いタイプかなという感じはしますね。コロンとしていて、姿形もお母さんに良く似ていますよ」

 血統的にも素材的にも楽しみな2頭だけに、今後の動向にも注目したい。

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