日本ダービー(GI・芝2400m)に出走予定の
ヒラボクディープ(牡3・
国枝栄厩舎)と
マイネルホウオウ(牡3・
畠山吉宏厩舎)について、陣営のコメント。
ヒラボクディープについて、
国枝栄調教師。
「
青葉賞(GII・芝2400m・1着)はスローの競馬になりましたが、良い位置取りで前を見ながら、終いは前を捕えてくれて良いレースだったと思います。
先週ある程度やってできていますし、今日はスムーズな調教をしようということで、古馬(
サイレントクロップ)の先を走ってリズム良く調教を終えられました。これまでトラブルもなく来ていて、状態も良いですね。体にも芯が通ってしっかりしてきたと思います。幅も出てきましたし、気持ちも少しずつどっしりしてきました。行儀が悪いところはまだあります。その辺は完全には良くなっていませんが、馬をなだめつつやってきて、今日の追い切りもスムーズにできましたし、良い方に向いていると思います。
世代のトップが
皐月賞に出ていたわけですから、今回の相手も相当手強いでしょうけど、どこまでやれるか楽しみですね。
競馬の世界はダービーが1つの基準になっていますから、それにチャレンジして、できたら勝ちたいです。無事ここまで来ていますから、うまくいけばと思っています」
ヒラボクディープについて、
蛯名正義騎手。
「前走の
青葉賞は、自分の競馬をしてどこまでやれるかという感じでしたが、十分力を出しきれましたし、うまく行ったと思います。ダービーと同じコースを経験できたことも良かったですね。
今日は併せた馬の方に乗っていましたが、見た感じでは前走乗った時と同じような状態で来ていると思います。
権利を獲るのに目一杯という感じで前走も競馬をしていますし、またそうしなければここに出ることはできなかったですからね。恐らく他の有力どころは、あと2つほど時計を詰めて走ってくるでしょうから、この馬も時計を詰められるかどうかですね。
皐月賞を最初からパスして、ダービーを目標にゆったりと来られたのは、
皐月賞組に比べて有利な点かもしれないですね。
スタンド前の発走よりも、今回は返し馬が非常にプレッシャーなので、まずは落ちないように返し馬を無事に終えたいです。前走も返し馬の最初が危なかったですし、調教でも人を振り落したりと元気が良いので、そちらのエネルギーをうまく競馬に向けられればと思います。
ダービーに出られるのは、約7000頭の中の18頭ですからね。嬉しく思いますし、感謝もしています。この馬の力を出せるように、そして楽しんで乗れればと思っています」
マイネルホウオウについて、
畠山吉宏調教師。
「今日(5/22)の追い切りは、前に併せ馬の2頭を置きまして、それを目標に前半折り合いを重視して、終いを伸ばすという内容でした。前半も力むことなくスムーズに追走して、終いで大知(柴田騎手)が
ゴーサインを送ったら、ラスト1ハロンの計時が11.9になっていましたから、非常に良い動きだったと思います。時計が示す通り、良い動きでしたし『問題なく来ましたね」と大知本人も良い感触を得ていたようです。
NHKマイルC(GI・芝1600m・1着)から中2週での競馬が1番のポイントになりました。ここ数戦の中で前走が1番の走りをしているとは思うのですが、その割には大きな反動もなく、馬体の回復も早かったですし、今週初めの馬体重もNHKマイルに向かう時とほとんど変わらなかったので、今日の追い切りもしっかりやれるなという感触を週明けに掴んでいました。NHKマイルは本当に良い状態だったから勝てたと思っていますが、その時と良い意味の状態キープ、平行線で来れているという印象です。
1800mまでしか走っていませんので、2400mは未知の部分ですけど、
スプリングS(GII・芝1800m・3着)からの3戦は、折り合いが非常に良くなってきています。距離は一気に延びますけど、前半は折り合い重視でスムーズに走れれば、終い良い脚を使ってくれるのではないかと期待しています。
スタートから1コーナーをスムーズに回って向こう正面でうまく折り合いつけて、ともかく前半力まないというのが、レースにおいては1番のポイントとして考えております。
凄いメンバーが揃っていますが、そのようなメンバーとも2歳時から戦ってきていますし、この馬自身、体力面も走る方の技術も一戦一戦進歩しているので、上位との差は縮まってきているのではないでしょうか。
ダービーに出走する馬がいればいいなと毎年、毎年思ってやっていますが、なかなかそういうチャンスが巡って来なかったのが今までですから、今回は大きなチャンスだと思いますし、悔いのないレースをしたいですね。そしてこのような馬を提供してくださった馬主さんにも感謝しております。
前走後も順調に来ております。馬は元気ですから、良い競馬ができると思いますので、応援よろしくお願いします」
マイネルホウオウについて、
柴田大知騎手。
「今日の追い切りは、前2頭追いかけて、途中から反応を見る感じで、終いはしっかり伸ばすという内容でした。予定通りの追い切りができました。前回もすごく良い状態で行けたのですが、それと変わらないくらい良い状態で臨めそうです。
さすがに前走はしっかり走ったので、レース後に疲れも少しあったのですが、ここまで厩舎の方がコンディションをうまく整えてくださり、今日の追い切りにつながっていると思います。
前走では長く最後までしっかりと良い脚を使ってくれましたので、ダービーでもそのような脚が見せられたらと思います。
コントロールもしやすいですし、乗りやすくなっていますので、あとはリズム良く走らせて、しっかりと最後は反応してくれたらと思います。距離延長は全く気にしていませんし、大丈夫だと思います。
相手も強いですが、自分の馬もGI馬ですから、どれだけやれるかワクワクしています。
枠順や流れ、位置取りなどは特に考えていません。ゲートを出て反応を見て、それから流れを見ながらということになるでしょう。
昨年ダービーに騎乗しましたが、さすがに初めてだったので、少し緊張もしました。今年は2回目なので、もう少し
リラックスして乗れるかなと思っています。
オーナーさんもそうだと思いますが、ジョッキーとしても、ダービーは1度は勝ちたいレースですね。他の馬も強いですが、GI馬ですし、しっかり力を出しきって良い競馬ができればと思っています」(取材・写真:佐々木祥恵)