梅雨入りしたにも関わらず、雨は降らず、ウッドチップが乾いている栗東。雨が降ったら、それはそれで重くなる馬場だが、降らなければ、乾燥して走りずらい状況もあるようだ。
CWコースはウッドチップが入れ替えられて、普通なら、馬場状態が良いと思われるところだが、4コーナーから直線に入る部分のチップが深く、脚をとられて危ないということで、
藤原英昭厩舎などは、追い切り馬場をBコースに変更したり、コーナー部分であまり加速しないように工夫するなどの対応策が見られた。
【坂路/4F51.9秒】
5日。一番時計は4F50.1秒の
スズカルーセント(栗東・橋田満厩舎)。その後は51秒台になるが、そこが8頭もいるので、決して重たい馬場ではない。ただ「走りが空回りするというか、上滑りするような馬場」とは調教に騎乗した
松永幹夫調教師。非常に乾燥した状態で、ウッドチップが滑るような、そんな状況なのかも知れない。こうなると、フットワークの問題で、時計が出る出ないということが考えられる。
そんな馬場でも苦にしなかったのは、
ゴールドシップ(栗東・
須貝尚介厩舎)。天皇賞春5着後は、英気を養うために、吉澤ステーブルWESTへ放牧。帰厩してから、順調に坂路、CWを乗っており、追い切りは今週が2本目。
シルクシュナイダーを大きく追走したが、最後はしっかり追いついて併入。4F52.5〜1F13.0秒はこれまでになく、速い数字の
バランス。前走だけで見限ることは決してできない。
冒頭にも記したように、雨の影響で馬場が重いわけではないので、今週の馬場差は困難。基本的には、馬場が悪くないという前提で、時計を検証すると、馬場差は『+0.2秒』が妥当と判断。5日、6日ともこの数字で計測した。
【CW/5F66.5秒】
ウッドチップの入れ替え工事を行っているCコース。チップの状態が良くないようで、常日頃からこの馬場を使って追い切る厩舎も、今週は敬遠気味。また、追い切ったとしても、少し時計を遅くするようにしたり、ひと工夫して、利用しているといった感じ。
ただ、向正面で引っ掛かってしまうような馬も少なくないので、そうなると終いは止まる。馬場状態としては、ひと頃ほど、速い時計が出るという印象は薄れてきた。
追い切りで目立った動きを見せたのは、
香住特別を予定している
クリサンセマム(栗東・
藤原英昭厩舎)。
川田将雅騎手が跨っての併せ馬だったが、前半をゆっくり追走し、直線は内から、しっかり反応して鋭い伸び。特にジョッキーとの呼吸の良さが目についただけに、実戦でどのような走りを見せてくれるか楽しみ。
上記のような状況から、各馬が時計を出し控えたという状況はあるものの、時計自体が遅いのは間違いなので、5日、6日とも先週より時計が掛かった『-0.6秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
Cコースで速い時計を出せなかった馬が、DPで速い時計をマークしている印象。いつもCWでの最終追い切りを行っていた、
マーメイドS出走予定の
ピクシープリンセス(栗東・
野中賢二厩舎)などがそれ。
ただし、動きで目立ったのは、
ピクシープリンセスと併せた同厩舎の
プリンセスフローラ。
松山弘平騎手が跨っていたが、内から
ピクシープリンセスが並びかけてくると、自分からハミをとる形で抜かせない意思を見せていた。走りやすいポリトラック馬場とはいえ、この動きは高く評価したいところ。
なお、DPの馬場差は少し乾燥している天候も考慮して、5日、6日とも『-0.9秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)