19日、栗東トレセンにて
宝塚記念に向けての共同記者会見が行われた。
午前7時、
ジェンティルドンナの石坂正調教師は表情は崩すことなく淡々と答えながらも言葉の節々から自信をのぞかせていた。愛馬の状態にかなりの手ごたえを感じているようだ。
ジェンティルドンナの追い切りは午前6時、坂路コースで行われた。時計は51.9-37.7-24.5-12.3だった。
「先週は併せ馬でしっかりやったので、今日は終いをしっかり伸ばす調教をしました。時計は速かったですね。単走だし、先週じゅうぶん負荷をかけたあとの動きとしては上々だと思います。思ったとおりにきてくれた、というかんじです。体調には何の不安もありませんし、いい状態で競馬できると思います」
ドバイ・シーマクラシックでの2着という結果については、「相手も強かったですが、それより
ジェンティルドンナの精神状態が気になりました。はじめてのナイター競馬、はじめての外国ということで明らかに精神状態が違いましたから。(かかり気味にレースを進めたことについては)
テンションは決して高くなかったけれど、前で競馬をした分だけ気持ちが高ぶったのだと思います」
ドバイでの敗戦が今回の
宝塚記念に精神的な影響を与える懸念もあるが「学習能力が高い馬。今回は慣れた日本での競馬ですから、いつもの平常心に近い気持ちでレースができると思う」と意に介さなかった。
よほど状態がいいのだろう。「本当にいい状態で競馬できると思います」と繰り返す石坂師。馬体重は「470キロ台だと思います。しっかり(調教を)やってきての数字です」と語気を強めた。
斤量56キロについては「決められたことだから仕方ない」と淡々と返答。道悪ついては「下手ではないと思っていますが、(雨の量次第では)未知の部分もあります」
最後に
宝塚記念に向けての豊富を語った。「GIを4つ勝った馬です。いつも強い相手と競馬をしているわけですから。相手関係よりも
ジェンティルドンナ自身の競馬ができるか、を考えています。万全の状態で出走できると思います。
ジェンティルドンナのすばらしい走りをお見せできれば、と思っています」
続いて、主戦の
岩田康誠騎手が会見に応じた。
第一声、「本当に状態がよく、ワクワクしています」と愛馬の状態のよさを強調。今朝の追い切りは騎乗していないが「馬場は軽かったにせよ、楽にあがってきたと聞いています。よかったです」と安堵していた。
先週の追い切りは岩田騎手が騎乗していたが、その段階ですでに「ドバイより数段
パワーアップしている」と話していた。「馬体を見ても、走り方を見てもホレボレします。この馬は、追い切りのあともレースのあとも息の乱れがありません。
ジャパンカップのあとだけ少しレース後の疲労を感じましたが、それだけですね」
宝塚記念での課題は「勝つことですね。そして、いい勝負を見せることです。作戦も折り合いも出たとこしかわからないので。とにかく、この馬のレースをするだけです」
ドバイでは少し折り合いを欠いたが「今回はホーム(日本)でのレースなので」と不安を一掃。道悪については「全然いけると思います。気にならないですね」
相手関係については「気を引き締めながらレースを楽しみたいと思います。この馬の最高のパフォーマンスをしたら結果はついてくると思います」と自信満々の様子だった。
斤量は初の56キロ。これについては、「馬格はあるし、牡馬は58キロで2キロ軽いので。あまり気にせず、のびのびと走らせてあげたいですね」とあまり気にしていないようだ。
「今年、日本では初めてのレースになります。紅一点ですが、牝馬ですが男まさりですし、強いハートを持っているので問題ないでしょう。すごくいい状態で臨めると思うので、応援よろしくお願いします」(取材・写真:花岡貴子)