19日、栗東トレセンで
宝塚記念の共同記者会見が行われた。出走予定の
トーセンラーについて、
藤原英昭調教師と
武豊騎手がそれぞれ会見に応じた。
■
藤原英昭調教師
――今の状態について教えてください。
「天皇賞のあと疲れが懸念されましたが、回復も早かったので
宝塚記念を目指すことになりました。追い切りは先週、今週と
武豊騎手に乗ってもらいました。先週はスピード的な調教、今週はしまい重点の指示を出しました。(調教で併せ馬の相手に遅れたことについては)ウッドチップが深くて
ディープインパクト(産駒)のこの馬には走りにくかったと思います。調教の内容としてはよかったのですが、本来キレがあり、ス
トライドのある馬なので。レースは良馬場のほうがいいですね」
――今、とても充実していますね。
「ずっと小さいときから期待していた馬。成長を待っていました。やっと本来のパフォーマンスができる状態になってきていると思います。天皇賞のあと、
宝塚記念へ出走するかどうかを
ジャッジするのに少し時間がかかりました。(天皇賞のレース後のダメージが心配で)シンドイだろうな、と思っていたんです。ところが、馬がしっかりしていて、いい意味で裏切ってくれました。
デビューから春のクラシックのころは、430キロで競馬していた馬です。それが、こちらの期待どおりに成長してくれて、今では460キロになった。天皇賞を使ったあとも体が減ることもなく、ようやく実になってきたかんじがします。本当はあと10キロくらい成長して欲しいのですが、ここ(460キロ)が
マックスだと思いますね」
――距離適性はいかがでしょうか?
「3000は長いと思います。2000前後がベストだと思います。
宝塚記念は距離的には最適です。コースは上り坂のある阪神より坂の下りを利用できる京都のほうがいいです。でも、今の馬力のついた
トーセンラーなら阪神の坂も克服できるのでは? とも思います」
――相手関係についていかがでしょう?
「さすがに強いメンバーなので、どう立ち向かっていくのか。ジョッキー(
武豊騎手)と話し合っています。過去のレースを見ても、やはり追い込み一辺倒の競馬では難しいと思う。今回は
シルポートが前にいると思いますが、そのあと、有力馬の前につけるような、
シルポートのあとの2番手くらいでレースを進めて、最後(上位に)きてくれないかな、と思っています」
■
武豊騎手――今の状態について教えてください。
「今年に入って3走目。高い状態で安定していますね。デビュー当時と比べると全体的に力強くなっています。もともと能力も高いですし、乗り味もいいですしね」
――
宝塚記念の適性は?
「距離はちょうどいいと思います。気になるのは、相手関係と馬場状態ですね。相手はかなり強いですが、
トーセンラーの状態はいいのでチャンスはあると思っています。まったくかなわないとは思っていないですね。道悪はおそらく向いていないと思うので良馬場を願っています」
――
オルフェーヴルの回避については?
「驚きました。競馬人のひとりとしてはとても残念なことだと思います。他の馬のことは関係なく、自分の馬をがんばりたいと思います」
――
宝塚記念に向けての抱負をお願いします。
「強いメンバーですが、いい状態で出れそうです。初めてのGIタイトルをとらせてあげたいです。いいお天気で、いい馬場状態で、いいレースをしたいですね」(取材・写真:花岡貴子)