「第5回
レパードS・GIII」(ダート1800m)は4日、新潟11Rに15頭で争われ、好位を追走した1番人気の
インカンテーション(栗東・羽月)が直線で力強く抜け出し、初の重賞タイトルを獲得。勝ちタイムは1分50秒3。2馬身半差の2着は積極的に逃げた4番人気の
サトノプリンシパル、さらに1馬身半差の3着には2番人気の
ケイアイレオーネが入った。
天然のシャワーを浴びながら、越後路のダートを爽快(そうかい)に駆け抜けた。「ひと雨降って馬場が軽くなったのも良かったが、本当に強かった。スッと動けるようになって、最後も余裕がありました」。3月の
沈丁花賞(1着)以来、4戦ぶりにコンビを組んだ大野は、2馬身半差の完勝に笑顔でうなずいた。
唯一の不安だったスタートも完璧に決まった。「イメージ通りのポジションが取れました。最後はカメラマンに物見をしていましたから」。3番手のインで脚をためて、迎えた直線。後続をギリギリまで待つ余裕を見せて
ゴーサインを出す。粘り込みを図る2着馬を並ぶ間もなく抜き去ると、もう敵はいなかった。
予想以上の強さに羽月師も驚きの表情だ。「こんなに簡単に勝っちゃっていいんですかね」。デビュー前から能力の高さを感じていたが、器用さに欠ける面が災いして出世が遅れた。「いろいろなジョッキーに乗ってもらったが、みんな苦労していたので」。鋭角な成長曲線を実感するには、十分過ぎる内容だった。
これで夢は広がった。最大目標に見据えるのはJCダート(12月1日・阪神、ダート1800m)。今後は放牧でひと息入れて秋に備える。つかの間の休息のあと、古馬の一線級に挑戦状をたたきつける。
提供:デイリースポーツ