「第33回
新潟2歳S・GIII」(芝1600m)は25日、新潟11Rに18頭で争われ、1番人気の
ハープスター(栗東・松田博)が、4角最後方から直線で大外に持ち出すと、前を行く17騎を並ぶ間もなくとらえ、3馬身差をつける次元の違う末脚を繰り出し重賞初V。来年のクラシックの有力候補に躍り出た。勝ちタイムは1分34秒5。4番人気の
イスラボニータが6番人気
ピークトラム(3着)との激しいたたき合いを鼻差制し2着を死守した。
新潟競馬場を衝撃が襲った。常識では考えられない勝ち方。上がり32秒5はマイル戦になった02年以降、優勝馬の最速タイムだ。
川田は「前半は全く進んで行かず、馬のリズムに任せてあの位置に。直線に入っても進まなくて焦ったが、加速してからはいい走りでした。この勝ち方だから、先々はもっと大きいところを目指せると思う。何より無事に行ってほしい」と想像以上の勝ちっぷりに夢を膨らませる。
祖母の2冠馬
ベガは、
ハープスターの
母ヒストリックスター1頭しか牝馬を残せなかった。吉田勝己ノーザン
ファーム代表は「
ベガの忘れ形見が、素晴らしい子を産んでくれた。強さは見ての通りでしょう」と満面に笑みだ。
全兄の
ピュアソウルは気性難が災いし、500万下条件で足踏みしている。
ハープスターは兄とは性格がまるで違う。
ベガも管理した松田博師は「祖母ほどではないが、この馬もおとなしい」と言う。
決して早熟ではない。「まだ腹が出ていて競走馬の体形じゃない。もう少したてば
バランスも良くなるだろう。伸びしろはあるだろうし、そうでなくちゃ困るわな」とトレーナー。とてつもない可能性を秘めた
シンデレラガールの誕生だ。
提供:デイリースポーツ