4日、
JRAは2012年の
安田記念を制するなど、マイル戦線を中心に重賞2勝を挙げて活躍した
ストロングリターン(牡7、美浦・
堀宣行厩舎)が、同日付けで競走馬登録を抹消して現役を引退、今後は北海道沙流郡日高町のブ
リーダーズ・スタリオン・
ステーションで種牡馬入りすると発表した。
ストロングリターンは、2009年10月19日の新馬(東京芝1600m)でデビューし、同世代の個性派
サンカルロの2着。2戦目の未勝利戦(東京芝1600m)で初勝利を挙げた。ただ、若駒時代は力強い末脚を武器としていたものの、なかなか勝ち切ることができず賞金加算には苦しみ、3歳夏の
ラジオNIKKEI賞で3着に入った程度に留まった。
本格的に力を付けたのは明け4歳時以降のことで、2010年2月の1000万(東京芝1600m)・1600万(東京芝1400m)と連勝してオープン入りを果たしたが、同年の
エプソムC6着などを経て再び休養へ。
戦線に復帰したのは5歳の冬で、2011年2月の1600万(東京芝1400m)でハナ差の2着とすると、次走・
難波S(阪神芝1800m)で1年ぶりの5勝目を挙げ、続く
京王杯SC(GII)では4番人気に推され、人気の中心を担っていた同世代のGI馬
ジョーカプチーノや、新馬戦では先着を許した
サンカルロらを抑えて差し切り勝ちを収め、嬉しい重賞初制覇を飾った。この年の
安田記念でも5番人気ながら、厩舎の後輩
リアルインパクトに次ぐ2着に食い込んで、今後への展望を抱かせた。
秋は富士Sで4着の後再び休養に入り、6歳春の
京王杯SC(4着)で戦線に復帰。叩き2走目の
安田記念では、道中は中団で脚を溜めると最後の直線は見事に弾けて差し切り、通算19戦目にして嬉しいGI制覇を飾った。
以降は、秋の
毎日王冠で7着、
マイルCSで8着。今年春に左第一趾節種子骨々折を発症し、全治6ヶ月以上と診断が下されていたが、晴れて
父シンボリクリスエスの後継種牡馬としての道が拓けたことで、正式引退の運びとなった。
血統面からは自身が
サンデーサイレンスの血を持っていない点がセースルポイントで、
サンデーサイレンス系の肌を中心に産地での人気を集めそうだ。
【勝ち馬プロフィール】
◆
ストロングリターン(牡7)
厩舎:美浦・
堀宣行父:シンボリクリスエス母:コートアウト母父:Smart Strike馬主:吉田照哉
生産者:社台
ファーム
通算成績:21戦7勝(重賞2勝)
主な勝ち鞍:2012年
安田記念