◆秋のGI第一弾の
スプリンターズステークスは、単勝1.3倍と圧倒的な支持を集めた
ロードカナロアが快勝した。ここで負けたら即引退の可能性もあったこのレース。カナロアは絶対王者に相応しい堂々としたレースぶりで、相手をねじ伏せた。
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岩田康誠騎手「この馬に乗せてもらって、本当に感謝しています。前回負けているし、今回負けたら引退という話もあったので、自分としてもプレッシャーを感じていました。馬はいつも通り落ち着いていたし、レースに集中していましたね。ゲートで出負けした時には『どないしよか』と思ったけど、それでも好位に付ける力がある。この馬のペースさえ崩さなければ負けないんだと思っていました。もう勝って当たり前の馬なんで、この後も負けないように頑張ります。この馬に乗れて、本当に幸せです」
・安田隆行調教師
「本当に計り知れない力を持っている馬ですね。前回の
セントウルでも状態が良かったし、勝てる確信があったのに足元掬われたんでね。今回もいい状態だったけど、負けたらどうしようっていう気持ちもありました。その分、喜びもひとしおですね。ムチャクチャ感謝してます。デビューの頃は気持ちがカーッとなりやすくて、スタートもいいのでそのまま行くレースをしていたんですけど。一介の逃げ馬では頂点は獲れないと思って、その気持ちを抑えて走れるよう、調教で助手が教えてくれて、レースでジョッキーたちが教えてくれました。今は馬場入場もゆっくり入れるし、本当に堂々としていますね。この後は馬の状態をしっかり見て、オーナーサイドと話し合って決めます。最低1走はする予定です。可能性としては、
マイルチャンピオンシップと香港ですけど、今の僕だけの意見は香港の方が濃厚かなという感じです。香港はマイルも登録しますけど、第一希望はス
プリントです」
◆2着は逃げて粘った
ハクサンムーン。最近のお約束となった馬場入場での高速回転は今回も健在で、スタンドのファンから大きなどよめきが起こったほど。しかし、いったん返し馬に行ってしまえば落ち着いたもので、スタートを決めて
フォーエバーマークとのハナ争いを制した。
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酒井学騎手「改めて、このメンバーでも走れることが証明出来ました。逃げて自分のレースが出来たし、追い出しを待つ余裕もあったけど…。相手は世界の王者。また次頑張ります」
◆3着はブービー人気だった
マヤノリュウジン。
テンションの上がりやすい馬で、初めての中山の舞台でどうかと思ったが、内から力強い伸び脚を見せてくれた。
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池添謙一騎手「いいスタートが切れて、内枠で馬場も悪くなかったし、いい所を進めました。直線で狭い所を割った時には、『やった!』と思ったけど…。
惜しかったけど、一度使って良くなっていたし、陣営が最高の状態に仕上げてくれました」
◆4着
マジンプロスパー・
福永祐一騎手
「休み明けだったけど、状態は良かったです。昔は揉まれ弱いところがあって、一定の条件を満たさないと力が出せなかったけど、今はそういうところが強くなってくれましたね。また来年頑張って欲しいです」
◆5着
アドマイヤセプター・
四位洋文騎手
「いつも内にもたれるようなところがあるけど、今日は上手に走ってくれました。僕はデビューの頃以来の騎乗でしたが、いいお姉さんになりましたね」
◆6着
ドリームバレンチノ・
松山弘平騎手「スタートも良くて、中団から進めました。いつも通り、この馬の競馬は出来たと思います。
セントウルの時よりも馬が良くなっていたし、しまいも伸びてくれました」
◆7着
グランプリボス・
矢作芳人調教師
「スタートがすべてですね。もう少し前でレースしたかったです。1200mは初めてでしたが、距離適性はあると思います。この後は、
マイルチャンピオンシップを目指す予定です」
◆8着
サンカルロ・
吉田豊騎手「速すぎましたね…。辛いレースだったけど、最後は伸びてくれました。この馬のベストは、1400mですから」
◆11着
サクラゴスペル・
横山典弘騎手「今回初めてブリンカーを着用しましたが、効果は何とも言えないですね。ペースが速すぎるというこはないけど、GIではもうワンパンチ欲しいです」
◆16着
フォーエバーマーク・
村田一誠騎手
「ハナに行こうと思ってたけど、あれだけ
ハクサンムーンが速いと…。もう少し、抵抗できると思ったんですけどね」
(取材:赤見千尋)