8日を含めて、日差しが強く、夏が戻ってきたかのような暑さの栗東。ただ、日陰に入ると、10月らしい気候も感じるだけに、さすがに馬が夏バテするようなことはなさそう。
ただ、先週の競馬でも、気温が上昇し、パドックで発汗の目立つ馬が多かった。発汗自体は決してマイナス材料ではないが、この季節だけに、異常な発汗には多少の注意が必要だろう。なお、雨は9日の調教後半の時間帯から激しく降ったため、10日は水分を含んだ馬場状態となった。
【坂路/4F51.9秒】
9日。一番時計は
フォーチュンスター(栗東・
鈴木孝志厩舎)の4F50.6秒。50秒台はこの1頭しかおらず、先週よりも時計の掛かる馬場状態だったことは間違いない。特に、10日は雨の影響を受けて、ウッドチップ馬場が悪化。余計に時計の掛かる馬場状態となっている。
10日の追い切りで、4Fこそ、53.9秒と地味だったが、ラスト1Fが12.3秒でさすがの伸びを見せたのは、10月14日に
盛岡競馬場で行われる
南部杯に出走を予定している
ホッコータルマエ(栗東・西浦勝一厩舎)。約3ヶ月ぶりのレースとなるが、この中間も入念に追い切り本数を重ねており、その結果が今朝の動き。ゴールに向けて、加速していくラップは見事だった。
先週の馬場差が「-0.3秒」。まず9日は普段よりも気持ち時計が掛かるという程度なので『+0.2秒』で観測。10日は、確実に雨の影響を受けているので『+0.5秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
先週もお伝えしたが、ウッドチップの状態が悪く、直線で躓くような馬もいた今週。時計が出る馬場でないことは確かだが、極端に時計が遅いというわけでもなく、今のウッドチップには、馬によって得手不得手がありそう。
10日は雨の影響を受けたが、それが乾燥していたウッドチップを適度の走りやすくしたのかも知れない。6F78.3秒と速い時計をマークしたのが、
マルセリーナ(栗東・松田博資厩舎)。テンから飛ばして、3コーナーでは、併せた
ベストクルーズと馬体をしっかり併せてスピードアップ。直線に向くと、相手の脚色が悪くなり、最後は1頭での走りだったが、鞍上
川田将雅騎手にしっかりと追われてゴール。ラスト1F13.2秒と時計を要したが、その走りには陣営の目一杯に仕上げたい意図を感じた。
同じく10日だが、
太宰啓介騎手が跨った
ビタミンエース(栗東・
本田優厩舎)が、古馬ファイヤーを煽る動きで、併せ先着。6F80.2秒と時計は速く、予定されている京都5日目の3Rはあっさりと勝ち上がってくれそう。
なお、今週の馬場差は9日が先週と同じ『-0.1秒』。10日に関しては、雨の影響で時計が出やすくなっているので『-0.4秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
9日の追い切り頭数は標準程度だったが、10日は前日の雨の影響があって、ポリトラック馬場で追い切る馬が目立った。
なかでも、目をひいたのは、
アイルランドTに出走を予定している
マルカボルト(栗東・
羽月友彦厩舎)。調教師自ら騎乗していたが、6F標識を過ぎる際のスピード感は、まるでゴール前を通過するかのよう。とにかくテンから飛ばしくまくって、ラスト1Fは失速する内容だったが、その時計は6F72.6〜5F60.4〜4F48.6〜3F37.0〜1F13.0秒。見応えのある走りは、近走の物足りない走りに刺激を与えてくれそう。
なお、今週の馬場差は9日、10日とも先週と『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)