◆伝統の一戦、第148回天皇賞秋を制したのは、GI初制覇となる
ジャスタウェイだった。直線に入るとグイグイ加速して、2着
ジェンティルドンナに4馬身の差を付ける快勝劇。重賞3連続2着の鬱憤を一気に晴らした。
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須貝尚介調教師
「常に2着だったので、ストレスを感じた時間が長かった分、この大舞台で勝てて本当に嬉しいです。今日の祐一くんは完璧でした。落ち着いて乗ってくれたので、その気持ちが
ジャスタウェイにも伝わったと思います。馬主さん始め、応援してくれたファンのみなさん、スタッフたちの協力のお蔭ですね。普段はあんまり泣かないんですけど、今日はホロリと涙が出ました。
2歳3歳の頃は、精神的にも肉体的にも弱いところがあって。4歳になって、本当に成長してくれました。今回は台風の影響を考えて金曜日に東京競馬場に入ったんですけど、前だったら1日前に入るとカイバを食べなかったのが、今回はしっかりと食べてくれて、-2キロで収まりました。精神的な成長を感じます。
この後は馬の様子を見ながらですが、さすがにキツイと思うのでJCは(登録を)入れません。ベストは現状1800mだと思うんですけど、まぁその辺りもジョッキーと相談しながら、馬の様子をみながら決めたいです。
有馬記念ですか?そうですね、その辺りを視野に入れて行くことになると思います」
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福永祐一騎手
「スタートだけ決められればと思っていましたが、練習したこともあって、上手に出ていいポジションに付けられました。力が付いて来て、いよいよ本格化したというか、本当に強くなってくれましたね。
僕としては、一番勝ちたかった牡馬クラシックを勝って、さらに連続で天皇賞も勝ててすごく嬉しいです。
この後は距離が延びてどうかということもありますが、今本当に強くなっているので今後が楽しみです」
◆2着は1番人気に支持された
ジェンティルドンナ。
宝塚記念以来4か月ぶりの実戦で、体は前にも増してパワフルに鍛え上げられていた。ゲート裏の輪乗りでは、時折クビを上げ下げしたり、尻尾を振るそぶりを見せたけれど、ファン
ファーレや大歓声が響いた時にも動じず、以前よりも落ち着きを感じさせた。
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岩田康誠騎手「ん〜…スタート速すぎましたね。びっくりしたようにドンと出て行って。ポジションはどこでもいいと思っていたし、力まずにレースすることが出来たんですけど。ただ、勝った相手が強すぎました。脚が違いましたね。
この後は使って良くなると思うし、やはり4,5番手、中団からタメるようなレースが出来れば」
◆3着は昨年の覇者
エイシンフラッシュ。内を選ぶことの宿命ながら、今年はなかなか直線で前が開かなかった。
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ミルコ・デムーロ騎手
「この馬は内から伸びて来る方が合っているので、今日も内で脚をタメる競馬をしました。直線は他の馬たちも内に来て、追い出しを待った分…。
ジャスタウェイと同じような位置に居たんですけど。悔しいです」
◆4着
アンコイルド・
吉田隼人騎手「直線向くまでいい感じで行けたし、この馬としてはよく伸びてます。でもさすがに一級戦相手だと、前も止まらないですね。正直なことを言えば、昨日の馬場でやりたかったです」
◆5着
コディーノ・ウンベルト・
リスポリ騎手「ダービーのVTRを見て、
テンションの高い馬だと思ってたけど、今日は落ち着いていました。ゲートも出てくれたし、理想的なレースが出来たと思います。直線で追い出した時にはビュッと反応してくれたんですけど、そこからもう1段階ギアが上がらなかったですね。もしかしたら、距離なもかもしれません。今日乗った感じでは、マイルなら相当な器だと思いますよ。まだ3歳ですし、まだまだ上積みがある馬です」
◆7着
ヒットザターゲット・
北村友一騎手「スタートして脚を取られる場面が何度かあって、思ったより進んで行かなかったです。脚を取られながらも最後まで詰め寄ってくれたんでね、その辺り成長していると思います。パンパンの良馬場なら、もっと走れたんじゃないかな」
◆8着
ヴェルデグリーン・
田辺裕信騎手「まぁまぁ流れてくれて、前が止まるかなと思ったんですけど…。甘くないですね。この馬にとっては展開向いたと思ったのに、こっちも追走で脚使わされていたんでね、甘くないです」
◆9着
フラガラッハ・
高倉稜騎手「ゲートはいつも通りで。今日は出た方ですね。最初の1ハロンは馬場が悪かったんで、馬が気を使って走ってました。馬場が良かったら、もっと伸びてたと思います。でも2000mで内容あるレースが出来たし、選択肢が広がりました」
◆10着
トウケイヘイロー・
武豊騎手「前半力んで走ってました。なかなか抜けなかったです。1周するレースの時は抜けるんですけど、今日は3コーナーまで力んでましたね。それに…、昨日の馬場だったらな…」
(取材:赤見千尋)