“気持ちの入った”最終リハだった。
エイシンフラッシュはM・デムーロを背に栗東CWで
ローマンレジェンド(5歳オープン)と併せ馬。2馬身半追走する形で折り合いをつけると、内に潜り込んでからはハミを取って一気に加速した。馬なりで6F86秒9-40秒1-12秒1。最後は重賞3勝を挙げるダートの猛者を1馬身差抑えこんだ。「馬場が重くて強い調教はしていないが、状態はいいと感じた」。鞍上は満足げに手応えを伝えた。
当初、追い切りに騎乗する予定はなかった。この日の朝一番、電話で「感触を確かめたい」と伝えたジョッキーの熱意に藤原英師の心が動いた。「最後は気持ち。ハートやからな」。信頼感を深めるコンビの追い切りを確認したトレーナーは「ローマンは
東京大賞典を狙っている馬。負荷が掛かったし、いい状態でいけると思う」と力を込めた。
前走の
ジャパンカップは10着と大敗。初めて経験する逃げが裏目に出た。「今度はハナに行く馬を見ながら競馬をしたい」と鞍上が悔しさをにじませる。指揮官の思いも同じだ。「押し出された。“壁をつくって”ということを攻め馬やレースでやってきたから。あれでは持ち味が生きない。
フラッシュの能力を発揮できるパターンというのがある。いかに当てはめていくか。マッチしたら
トーセンラー(
マイルCS優勝)のように“バスン”とくる」とGI2勝馬の底力を信頼する。
昨年、M・デムーロは尿管結石のため、レース当日に急きょ、三浦への乗り代わりとなった。
フラッシュと挑む初めての
有馬記念に「昨年は残念だった。馬のため、自分のために頑張りたい」とリベンジを誓う。レース翌日の23日に引退式を行うだけに、トレーナーも「勝たせる意気込みで。いいドラマの完結を迎えたい」と有終Vを強く意識する。10年ダービー、そして感動の12年
天皇賞・秋制覇-印象的な勝利を飾ってきた名馬がラストで再び輝きを放つ。
提供:デイリースポーツ