また一つ、伝説が生まれた。第58回
有馬記念は、8馬身差の衝撃的な強さを見せつけて、
オルフェーヴルが勝利。4コーナーを回りながら早め先頭に立った時には、スタンドからどよめきが起こったけれど、展開も、馬場も、他の馬たちも全く問題にせず、圧倒的な強さでラストランを飾った。
ゴール後には11万を超える競馬ファンから『池添コール』が巻き起こり、その後大きな拍手を挟んで、盛大な『オルフェコール』で迎えられた。これがラストラン。多くのファンが望んだ以上の結末だったのではないだろうか。
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池添謙一騎手「競馬場に集まってくれたファンの皆さんに、
オルフェーヴルが一番強いということを見せられて嬉しいです。
レースは
ゴールドシップの後ろで我慢して、若干動くのが早いかなと思ったんですけど、自信を持って乗りました。
菊花賞でもこういう乗り方をしているので、大丈夫だと思いました。一頭になってからも、しっかりと反応して頑張ってくれましたね。
ラストランでもこんなに強いレースを見せてくれて…。本当にお疲れ様でしたと言いたいです。僕は
オルフェーヴルが世界で一番強いと思います!
オルフェーヴルに出会えて、本当に良かったです」
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池江泰寿調教師
「最高の位置取りでしたし、謙一くんが落ち着いて乗ってくれましたね。
昨年の秋よりもゆったりとした調整でしたが、
凱旋門賞で仕上げた後だったので、調整は難しかったです。昨年の
ジャパンカップよりは断然状態は良かったのですが、それでも8分くらいの出来でした。能力の高さで頑張ってくれましたね。
オルフェーヴルは家族のような、かけがえのない存在です。本当にありがとうと言いたいです」
◆2着は
オルフェーヴルの同期、4番人気
ウインバリアシオンが追い込んだ。
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岩田康誠騎手「よく走ってくれましたよ。少し出した分、多少力んだんですが、すぐに折り合ってくれました。やっぱり能力ありますね。今日は相手が強すぎました。この馬も頑張ってます」
◆3着は2番人気
ゴールドシップ。今回は初めて深いブリンカーを着けてレースに挑んだ。
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須貝尚介調教師
「
オルフェーヴルが抜けて強かったですけど、1度でも戦えて光栄です。
ムーア騎手とも話したのですが、本当は馬群の内に入れたかったんですが、枠もあって入れられなかったそうです。
オルフェーヴルが先に動いた時には『早すぎる』と思ったそうですが、結果的にはあそこがポイントでしたね。
でも、ブリンカーも効いてましたし、最後までよく伸びてくれました。この後は一回休ませて、次のレースはゆっくり考えます」
◆4着
ラブイズブーシェ・
武豊騎手「前半は付いて行けなかったんですけど、最後の直線で外に出したらよく伸びてくれました。このメンバーで、たいしたものです。いずれ、重賞を勝てると思いますよ」
◆6着
カレンミロティック・
戸崎圭太騎手「結果的には、行っても良かったのかもしれません。
ルルーシュが行ってくれたので、リズム良く自分のペースで運べたと思います。ただ、3,4コーナーで馬場が荒れていて、脚を取られてしまいました。ここまで踏ん張ってくれて、よく頑張ってくれましたね」
◆9着
テイエムイナズマ・
ミルコ・デムーロ騎手
「折り合いが難しいと聞いていたんですけど、今日はスムーズでした。このメンバーでよく頑張ってくれましたね」
10着
ヴェルデグリーン・
田辺裕信騎手「状態は良かったですし、ポジション的に強い馬をマークして行けたんですけど、勝負所で手応えが違いました。この相手でやるには、さらに
パワーアップが必要ですね」
◆11着
アドマイヤラクティ・クレイグ・ウィ
リアムズ騎手
「思っていたような位置取りでレースが出来たんですけど、コーナーコーナーで馬場が悪くて脚を取られてしまいました。4コーナーでは狭くなって下がってしまったので、あれがなければもう少し頑張れたと思います」
(取材:赤見千尋)