2013年の中央競馬最後の重賞でGI馬が復活Vだ。「第8回阪神C・GII」(芝1400m)が23日、阪神11Rに18頭で行われ、ムーアが騎乗した8番人気のリアルインパクト(美浦・堀)が11年安田記念以来の勝利。鞍上が手綱をしごいてハナを奪う積極策で、2番手追走の10番人気ガルボ(2着)との競り合いを首差でしのぎ切った。タイムは1分21秒4。5年連続で関東馬の優勝となった。さらに3/4馬身差の3着も好位を進んだ7番人気クラレントで前残りの決着に。なお、1番人気のダイワマッジョーレは7着、6番人気サンカルロは4着で3連覇を逃した。

　世界の名手が中央競馬のラストも締めくくった。ムーアはここまで19戦、1度も逃げたことがないリアルインパクトをハナに導いた。「当初は好位からのつもりだったが、あまりに楽にハナに立ったからね。少し馬は戸惑っていたけど、昨年のマイルCS(5着)でも乗った馬。押し切ってくれると分かっていたよ」。確信通りに最後は首差しのいで、実に2年半ぶりの復活Vを決めた。「今後はオーナーと相談してから。未定です」と堀師は話したが、再びGI戦線で活躍できるメドが立ったのは間違いない。

　鞍上は14年も精力的に世界を飛び回るつもりだ。「僕はじっとしていられない性格。(3月の)ドバイには乗りに行っているだろうね。ジェンティルドンナ?オファーがあればもちろん。来年も依頼があれば都合のつく限り日本には来るつもりでいるよ」。普段は物静かで“鉄仮面”とも言われる名手だが、この日は笑みが絶えなかった。

提供：デイリースポーツ