29日、
大井競馬場(天候・晴、馬場状態・良)で行われた今年最後のダート
グレード競走・農林水産大臣賞典(国際交流)第59回
東京大賞典(GI・第10競走・2000m・3歳以上・1着賞金7000万円)は、南関東から2頭、
JRAから5頭、他地区2頭の合わせて9頭が出走した。なお、
プロディージュは出走取消。
いよいよスタートというところで、
JRAの
ローマンレジェンドがゲート内で暴れ、一旦出されるシーンがあり、場内がざわめいた。
例によって
サトノプリンシパルの逃げでレースは始まった。2番手に
ワンダーアキュート、差がなく
ニホンピロアワーズが続き、1番人気の
ホッコータルマエが4番手。
JRA勢が前を固めた。スタートでやや後手を踏んだ
ローマンレジェンドは6、7番手を進む展開になった。
レースが動いたのは3〜4コーナー。2番手以降にいた
ワンダーアキュート、
ニホンピロアワーズ、
ホッコータルマエの3頭が横一線となり、
サトノプリンシパルを捉えていく。
ローマンレジェンドは相変わらず離れた5番手。
最後の直線でも、動いた3頭の争い。ゴール前は、逃げる
ワンダーアキュートを
ホッコータルマエが差し切り1馬身半差の快勝。勝ちタイムは2分06秒6。鞍上は
JRAの
幸英明騎手。2着に
ワンダーアキュート、さらに2馬身半遅れた3着に
ニホンピロアワーズと続いた。上位3頭は人気順通りの決着だった。
勝った
ホッコータルマエは
父キングカメハメハ、
母マダムチェロキー(その父Cherokee Run)という血統の牡4歳・鹿毛馬。
JRA栗東・西浦勝一調教師の管理馬。通算成績は22戦11勝(うち地方8戦6勝)となった。
かしわ記念、
帝王賞、
JBCクラシックに続き、今年だけでGI4勝を挙げた。
●レース後の関係者のコメント
1着
ホッコータルマエ(
幸英明騎手)
「本当に嬉しいです。強い競馬ができました。手応えもありましたし、最後まで押し切れると思いました。強かっただけに、前走の
ジャパンカップダートで負けた悔いが残ります。申し訳ないと思います。馬はどんどん良くなっていますし、4歳で力を付けてきています。来年も
ホッコータルマエとともに、ダート界を盛り上げたいと思います。」
(西浦調教師)
「前回は負けているので、今日は負けられないレースだと思い臨みました。最後の最後を締めくくるレースに優勝できてホッとしています。亡くなったオーナーに良い報告ができます。
ジャパンカップダートを使った後から
東京大賞典は視野に入っていましたので、順調に調整ができて、良い結果が出せました。スタートしてからも安心してレースを見ることができました。4コーナーで
バランスを崩してヒヤッとする場面もありましたが、何もなくてホッとしました。どこに行っても能力を出せれば良いのですが、これを境に新たなスタートを切って、どんどん強くなってほしいです。来年は、1月の
川崎記念から
フェブラリーステークス、そして3月のドバイへ向かうスケジュールを考えています。何とか上手くこなしてほしいと思います。」
2着
ワンダーアキュート(
武豊騎手)
「思い通りの位置取りで、この馬の競馬はできました。勝った馬が強かったです。来年も頑張ります。」
3着
ニホンピロアワーズ(
酒井学騎手)
「前走より状態が戻って、やれる状態だと思いました。残り800mでまだペースが上がらなかったので、残り600mまで動かないようにしようと思っていました。しかし、早目に並びかけられ、ペースが上がりました。3頭の併せ馬になり、4コーナーの手前で他の馬に脚をかけられ、トモを落とす場面がありました。それでもしっかり走ってくれました。」
4着
サトノプリンシパル(
北村宏司騎手)
「もっと離していくイメージで競馬をしようと思っていました。しかし、初めてのコースだったせいか、思ったより物見をしていました。3〜4コーナーで一気に交わされて、進路が狭くなりましたが、切り替えて最後も頑張ってくれました。まだこれから可能性はあります。」
6着
ローマンレジェンド(
岩田康誠騎手)
「気持ちが入りすぎていました。ゲートの中で歯車が狂ってしまいました。」
(取材:米田元気)
提供:ラジオNIKKEI