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年男・トウカイトリック / 野中師「“自分”を持っている馬。ずっと大切にしていきたい」

  • 2014年01月02日(木) 14時00分
 万葉Sに出走予定のトウカイトリックは今年で12歳の年男だ。ディープインパクトヴァーミリアンと同世代なのに今でも現役。しかも、昨年11月のステイヤーズSでは3着に入るなど、まだまだ第一線で戦える状態を維持している。そんなトウカイトリックについて野中師に話を伺った。

――現役競走馬にして年男ですね。

「馬で“年男”なんて、滅多にいない。しかも、まだまだ元気ですよ」

――6日の万葉Sは今年で7回目の出走となります。

「昨年の万葉Sのときより状態はいいですよ。昨年はステイヤーズSを勝って人馬ともにホッとしたことで馬を少し可愛がってしまった。その影響か、一昨年のステイヤーズSはこの馬にしては細めのつくりで出走させたとはいえ万葉Sでは太かった(プラス18キロ)。それに比べると今年は前走後の疲労が抜けたあと、甘やかさずにここまできましたからね」

――トップハンデの57キロを背負いますが。

「58キロ背負うようなら馬がかわいそうだから回避する予定でした。でも、57キロだったので出走させることにしました。ただ、かなり軽い斤量の馬が結構いるので、その馬たちとの斤量差はかなり大きいですよね。そのあたりがどう出るかですね」

――鞍上は?

「福永騎手に頼みました。合っていると思います。トウカイトリックは懐の、騎座の深い乗り方をするジョッキーが合っているのでそういう人を探しました。福永騎手はそういう乗り方をしますからね」

――トウカイトリックはどんな馬ですか?

「“自分”というものを持っています。今でも自分がダメと思うことについては、これでもかというほど抵抗する。それもあってか、ジョッキーの合う・合わないがハッキリ出ます。そのあたりをこちらが理解すれば、ちゃんと結果を出してくれる馬なので。トウカイトリックの意思を大事にしていきたいですね。そして、心臓が強い。今でもいい心臓の音をしているそうですよ」

――今年の展望ですが、天皇賞・春に出走するなら9年連続GI出走(中央競馬同一重賞最多出走記録・最多連続出走を更新)となります。

「悩みどころですね。8年連続でさえ、今後抜くのは難しい記録だと思います。でも、ただ参加すればいいというものでもない。天皇賞・春となるとメンバーも揃うので、今のトウカイトリックには厳しいものがある。でも、状態がよければまだまだ重賞を勝てる馬です。万葉Sのレース後の疲れ具合次第ですが、ダイヤモンドSへ行くことも考えています。馬主さんと相談して、大事にレースを選んでいきたいですね」

――いまだにしっかり重賞クラスで上位の成績を維持できているのが凄いです。

「一昨年は重賞を勝ち、昨年も2000万以上賞金を稼ぎました。自分の食いぶち以上のものを稼いでいるので、高齢ですが引退する理由がない。ほんと、すごい馬だと思いますよ」

――それでも、やはり引退の時期を考えますか?

「はい。いつでも“引退”の文字は頭の中にありますよ。無理はさせたくないし、ちょっとでも不安があったら出走させません。馬主さんともそう話しています。昨年のステイヤーズSを勝っていれば、そのまま華やかに引退させる手もあったんだけどね(笑)。いつか、いい幕引きができるタイミングが見つかった、その時でしょうね」

――オーナーにもファンにも先生にも、とても大切にされているんですね。

トウカイトリックからいろんなことを学びました。GIにチャレンジし、海外遠征も経験させてもらえた。これからもずっと大切にしていきたいですね」
(取材・写真:花岡貴子)

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