29日午前1時半、
メルシーエイタイム(牡12・武宏平厩舎)が栗東トレセンに到着した。担当する北尾俊幸助手は「輸送中も到着後も特に問題はありません。長距離輸送という大きな課題をクリアできてホッとしています」と安堵していた。
北尾助手は「こんなに長い付き合いになるとは」と心境を吐露 メルシーエイタイムは昨年12月、
中山大障害(J GI)のレース中に左第2趾関節脱臼を発症。22日に美浦トレーニングセンターの競走馬診療所へ移動し、入院。翌23日に患部をボルトで固定する手術が行われた。術後の経過は良好、細菌感染もなかったため、先週栗東へ輸送する予定だったが、微熱と脚の痛みが出たため万全を期して延期。
その後、状態も安定したので28日、午後5時半に美浦トレセンを出発した。普通の状態では痛めた左後ろ脚をつけて立てないため、4本脚で立てるようにと特別に用意された
ハイヒールのような蹄鉄を装着し長時間輸送を無事クリアした。
美浦出発時、獣医は今後の見通しを「桜の咲くころには…」と語っていた メルシーエイタイムは今後、入院馬房で様子を見ながら徐々に歩行訓練を始めるとのこと。北尾助手は「痛みはとれても、脚にボルトが入った状態は続きます。そのことを馬が理解し、その脚で歩くことを覚えていかなければなりません。幸い無事回復していますし、その"新しい調教"を始めるのもそう遠い日ではないでしょうね。」と語った。
(取材:花岡貴子)