クラレントは栗東坂路で最終追い切りを行った。異父弟
レッドアリオン(
西宮Sに出走予定)とのスパーリングで併入したが、表示されたタイムは4F55秒1-39秒5-13秒0。
橋口師は「53秒前後を想定していたので正直、不満です。いくらケイコ駆けしないと言っても、55秒もかかるなんて…」。だが、そんな落胆ぶりが微笑に変わるまで、数分もかからなかった。上がり運動に戻ってきた愛馬はすっかり呼吸が整い、歩様も柔軟で滑らか。舌鋒(ぜっぽう)もまた滑らかに変わる。
「体調そのものは悪くありません。太め感もなく、前走時と同じ状態で出せるのは間違いないですよ」。
またがった山手助手も「馬場状態が悪いと動かない馬。荒れた馬場でしまいが13秒0なら上々だし、動きは確かでしたよ」と同調した。
強かった前走を振り返る師の言葉が弾む。好騎乗で能力を引き出した田辺について「
クラレントにはテン乗りだったのに、最高のレースをしてくれた。今、旬のジョッキーだと感じました」と褒めちぎった。
サマーマイルシリーズのチャンピオンが懸かる一戦。橋口師は「勝てば文句ないんでしょ、勝てばね」と最後は笑顔で“勝利宣言”をやってのけた。
提供:デイリースポーツ