9月21日(日)に新潟競馬場で行われる
菊花賞トライアルの
セントライト記念(GII・3歳OP・芝2200m)に出走予定の
皐月賞馬・
イスラボニータ他、美浦所属各馬について関係者に取材した。
イスラボニータ(牡3・美浦・栗田博憲厩舎)について、栗田調教師のコメント。
「まだ暑い時期の帰厩ということもあり、1週間は様子を見てということで、放牧先からは1か月と1週間前に帰厩しています。夏もうまく乗り越えることができました。春に比べると、全体的に実が入ってきたと思います。まあこれはどの馬にも言えることですが、この馬はこの馬なりに春に比べてしっかりしてきたのではないでしょうか。これからどのくらい伸びしろがあるかは、まだ未知数ですけどね。
精神的にも落ち着きが出てきました。以前は子供っぽいところもありましたし、ダクが踏めなかったんですよ。それがだいぶ踏めるようになってきましたからね。今日(9/17)の追い切りは時計はあまり速くないですが、先週ある程度強めにやっていますし、これで十分だと思います。数字にするのは難しいですけど、8割5分くらいの仕上がりではないかと思います。息もできてきていますし、とにかく順調に来ているのが何よりですね」
マイネルフロスト(牡3・美浦・
高木登厩舎)について、高木調教師のコメント。
「ダービー(GI・2400m・3着)後はさすがに疲れが見られましたので、北海道に放牧に出して充電しました。休ませてリフレッシュさせてから乗り始めましたが、ここが目標と決まりましたので、それに合わせて調整してきました。体は春先から増えていて、当時から成長していましたので、春と今とを比べては大きな変化はありません。肉体面も良い状態をキープしているという感じで、精神面では成長が見られます。
先週の1週前追い切りは、まだ休み明けかなという動きで、少し物足りなさを感じましたので、今日(9/17)は直線はしっかりやりました。ジョッキー(
柴田大知騎手)が追ってからの反応も良く、態勢は整ったと思います。1度使われて1段階上がるタイプではありますが、今回も恥ずかしくない競馬をしてくれるのではないかと思います。ダービーで2400mでも走っていますし、3歳馬同士ですからね。立ち回りもうまいですし、ジョッキーも馬をわかっていると思いますので、新潟内回りの2200mも大丈夫だと思います。新潟の馬場は、見た目は荒れていても時計が出ていますから大丈夫でしょう。終いを伸ばす形の競馬をして、先につながる結果を出してほしいですね」
ショウナンラグーン(牡3・美浦・大久保洋吉厩舎)について、大久保調教師のコメント
「夏を越して体が大きくなっているので、馬体重は間違いなく増えていると思います。先週撮影した写真を見ると、春よりも確かに逞しくなっていると感じました。弱かったトモもまだ完ぺきでははないですが、良くなってきています。2000mで今ひとつのレースだったのが、
青葉賞(GII)の2400mで勝ちましたから、長いところが良いのでしょうね。ただ新潟の内回りの2200mがどうかなとは思いますけど。先週ゲート練習をして反応が良くなっていますので、ある程度の位置で競馬ができれば良いのですけどね。
菊花賞に向けて良い
ステップになってほしいと思いす」
吉田豊騎手のコメント
「今日(9/17)の追い切りは後ろから行って、直線だけしっかりやりました。最初は少しモタモタしていましたけど、反応もしてくれましたし、良かったのではないかと思います。今回は休み明けですし、まだ体にも余裕があります。成長分もあると思いますけどね。春先から徐々に成長していますが、まだこれからの馬のようにも感じます。
先週、1回ゲート練習をしました。元々トモがしっかりした馬ではないですから、ビュッとは出ないですけど、練習の感じは悪くなかったです。内回りの2200mで頭数も多そうなので、遅いスタートではきついでしょうけど、テンからガンガン押して良い位置を取るというより、出たなりでレースを進めて終いの脚を生かしたいですね」
エアアンセム(牡3・伊藤正徳厩舎)について、松田大作騎手のコメント。
「まだ成長途上の馬ですからね。若干物足りない感じもありますが、今後まだ良くなってきそうな雰囲気はありますし、素質を秘めています。その力をレースでどこまで出せるかですね。先週、今週(9/17)と乗せてもらいましたが、少しずつ良くなってきています。もう少し動いてほしい気もするのですが、このひと追いで変わってきてくれればと思います。
従順で素直な馬なので、コース条件にも対応できそうですね。まだ若さを見せるところもあるので、そのあたりは成長してほしいです。まだゆるさもありますし、力を出しきっていない感じがしますから、これから変わってきてくれる馬だと思います」
サトノフェラーリ(牡3・美浦・
藤沢和雄厩舎)について、藤沢調教師のコメント。
「早い時期から使ってきた馬で、2歳時のオープン(
コスモス賞・芝1800m)で、
マイネルフロストのハナ差の2着もありましたが、良くなってきたのはクラシックシーズンが終わってからですね。夏に新潟競馬(
弥彦特別・3歳以上1000万下・芝1800m・1着)を1度使ってきた強みもありますし、頑張ってもらいたいですね」
クラリティシチー(牡3・
上原博之厩舎)について、上原調教師のコメント。
「春はさすがに疲れがたまっていましたから、夏は北海道でリフレッシュしました。先週までは単走で時計を出していましたので、今日(9/17)は柴山騎手が乗って併せ馬で追い切りました。オープン馬と併せましたが、夏にリフレッシュしたこともあり、動きは悪くなかったです。ジョッキーの感触も良かったですよ。掛かる馬ではありませんし、距離も大丈夫でしょう。
春は外を回ったり、挟まったりといろいろありましたので、福島や中山よりは直線の長い新潟の方が良いと思います。メンバーは揃っていますが、春に戦った馬もいますし、決してかなわなかったというわけではありませんからね。春は運のない競馬が続いただけに、頑張ってほしいですね」(取材・写真:佐々木祥恵)