最高の競馬で最低人気の評価を覆した。「第19回
ファンタジーS・GIII」(芝1400m)は8日、京都11Rに14頭で争われ、14番人気の
クールホタルビ(栗東・清水久)が好位追走から抜け出し、驚きの重賞初制覇を決めた。勝ちタイムは1分21秒7。1番人気の
ダノングラシアスは中団から差し込んだが、半馬身差の2着。さらに首差の3着には3番人気の
ウインソワレが入った。
「返し馬では
テンションが高かったけど、レースにいったら折り合いがつきました。それが勝因でしょう」。デビューから手綱を握る小牧は得意げに振り返った。
ソツのない立ち回りだった。スタートをばっちり決めると、逃げ馬を見ながら好位の内側を追走。4角ですかさず外に出し、反応良く伸びて後続の追撃をしのいだ。「馬の後ろに入れたら、フッと(ハミが)抜けた。千六になっても、乗り方ひとつでしょうね」と主戦はさらなる高みを見据える。
何としても勝たせたい理由があった。ホタルビの
母プラセールは、かつて園田競馬で走っていたこともある地方馬。小牧自身も園田で腕を磨いたとあって、親近感が湧くのは自然なことだった。「血統はよく知らないんだけど、重賞を獲らせてあげたかったんだよね」。ほれ込んだ相棒の力走に
ニンマリだ。
今年重賞初Vを決めた清水久師も結果に大満足だ。「具合が非常に良かった。勝ってくれてうれしいです」。次走は阪神JF(12月14日・阪神、芝1600m)。勢いづく人馬が、世代の頂点を目指してまい進する。
提供:デイリースポーツ