僚馬をかわすまではいかなかったが、不安要素にはなり得ない。栗東CWでの最終リハを完了した
ハープスター。その姿を見届けた松田博師は、満足そうに「まあ、併せたらこんなものよ。いつも通り」とうなずいた。
その言葉通り“いつもの通り”の追い切りだった。2角から徐々に加速して行くと、先行させた
ラストインパクト(4歳オープン)を4角手前でつかまえるかという手応え。そこでグッと我慢させ、4角入り口で前とは1馬身半差。最後は0秒1差届かずゴールを迎えたが、6F82秒3-38秒2-12秒6の好タイムをマークし、十分に負荷をかけた。
「普段からおとなしくてドッシリしている馬だからな。バタバタうるさいところを見たことがない」と名伯楽は笑顔を見せる。帰厩直後はやや体に余裕もあったが、「だいぶ絞れてきたよ。使う以上は、いつも納得している」と言い切る。3歳にしてフランス遠征を経験した直後だが、クラシックを戦った春と変わらない姿で帰国初戦に挑む構えだ。
枠は3枠(6)番に決まった。「久しぶりに内枠が当たったな。(3)番に
ジェンティルドンナがいるのか。ある程度前にも行けるだろうから“これを目標に”と川田には言うよ」と策を練った。
持ち前の豪脚をどこから繰り出すのか。中団か、いつものように最後方か、あるいは先行しているのか…。
父ディープインパクトしかなし得ていない、海外遠征帰国初戦での
ジャパンC制覇、そして史上2頭目の3歳牝馬によるVへ、虎視たんたん、ツメを研いでいる。
提供:デイリースポーツ